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丸焼
「丸焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
のうの夕方から急に東の風が吹き出して、それが又いつか北に変った。吉原は去年の四月
丸焼けになった。橋場今戸の仮宅から元地へ帰ってまだ間もない廓《くるわ》の人びとは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、わたしは溜め息をついた。 「増村の家に地震の怪我人は無かったそうですが、店は
丸焼けになったので、その後は商売も寂れたようでした。今になって考えると、江戸三百....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
りで佳品と聞く、鶫を、何と、頭を猪口に、股をふっくり、胸を開いて、五羽、ほとんど
丸焼にして芳しくつけてあった。 「ありがたい、……実にありがたい。」 境は、そ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、旧館各棟は異状なしであった。裏門前一帯もすべて焼けつくし、第二日野校ももちろん
丸焼けである。そしてアスファルトの上に焼夷弾が十四、五発つきささっているのは、胸....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
山の家が潰れる、火事が起る、死人や怪我人が出来る。そのなかでも吉原の廓は丸潰れの
丸焼けで、こゝだけでもおびたゞしい死人がありました。おつねの勤めている店も勿論つ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
一時の居どころは定まったが、心はまだ本当に定まらない。文字通りに、箸一つ持たない
丸焼けの一家族であるから、たとい仮住居にしても一戸を持つとなれば、何かと面倒なこ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の家を立ち去った。 それから四、五日の後、突然ここの家に火を発して、楊の部屋は
丸焼けになった。 文昌閣の鸛 済南府の学堂、文昌閣の家の棟に二羽の鸛(雁....
「母への追慕」より 著者:上村松園
何か木の葉でも降る音にききながら…… 私の十九のとき、隣りから火が出て私の家も
丸焼けとなってしまった。 何ひとつ運び出すひまもなく類焼の災にあってしまったの....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
が、大水のようにあふれました。三頭の牛のおなかに、小がもやにわとりをつめたまま、
丸焼にしたものを、市場のまん中にもちだして、たれでも、ひと切れずつ、切ってとって....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
一節があるのを見てもわかる。 ――かば焼もむかしは鰻の口より尾の方へ竹串を通して
丸焼きにしたること、今の鯰このしろなどの魚田楽の如くにしたるよし聞き及べり。大江....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
壮観を見、これなら贅沢な冬がすごせるぞ、と思った。彼は欲ばった空想をめぐらして、
丸焼きにもってこいの豚が、どれもこれも腹にはプディングをつめ、口には林檎をいれて....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
風説に聞いて知っているが、木場一番といわれた御身代がそれで分散をなすったような、
丸焼。 二度目が日本橋の人形町で、柳屋といってね、……」 「もうその時分は、大....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、四辻をちょっと入った処だった。辻には――ふかし芋も売るから、その湯気と、烏賊を
丸焼に醤油の芬々とした香を立てるのと、二条の煙が濃淡あい縺れて雨に靡く中を抜けて....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
一時の居どころは定まったが、心はまだ本当に定まらない。文字通りに、箸一つ持たない
丸焼けの一家族であるから、たとい仮住居にしても一戸を持つとなれば、何かと面倒なこ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
た。本家は風流に隠れてしまったが、分家は今でも馬喰町に繁昌している。地震の火事で
丸焼けとなったが、再興して依然町内の老舗の暖簾といわれおる。 椿岳の米三郎は早....