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丸葉
「丸葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
豆の花が葉のかげにほのめいているが、ここはもうさながらの冬のけしきで、薄い黄色の
丸葉がひらひらついている白樺《しらかば》の霜柱の草の中にたたずんだのが、静かとい....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
の交じった顔付きをして起き上がった。その時には子供たちは復讐を恐れて十間も向うの
丸葉柳の下へ集って逃げ支度をしていたが、村の若者が五、六人ばかりその代りに少年を....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
山々を微かに浮ばせていた。 市九郎は、街道に沿うて生えている、一|叢《むら》の
丸葉柳の下に身を隠しながら、夫婦の近づくのを、徐《おもむろ》に待っていた。彼も心....
「新生」より 著者:島崎藤村
岸本の家ではそれを大きな鉢《はち》に移して二階の硝子戸《ガラスど》の側に置いた。
丸葉と、いくらか尖《とが》った葉とあって、二株の花の形状《かたち》も色合もやや異....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
いの大きさの竹かごを棒切れの先に引っかけたのを肩にかついで、跛を引き歩きながら「
丸葉柳は、山オコゼは」と、少し舌のもつれるような低音で尻下がりのアクセントで呼び....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
にもさびを見せた数寄《すき》な庭。 広縁の前に大きな植木棚があって、その上に、
丸葉の、筒葉の、熨斗《のし》葉の、乱《みだれ》葉の、とりどりさまざまな万年青《お....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
冬の間に腐ったような灰色を、洗い流して日一日緑に冴えて行った。 鴨の河原には、
丸葉柳が芽ぐんでいた。その礫の間には、自然咲の菫や、蓮華が各自の小さい春を領して....