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「丸薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丸薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
かせたのであろう。少し離れたところには※弱《おうじゃく》らしい宗伯が、さっきから丸薬をまろめるのに忙しい。 「お父様《とっさん》はまだ寝ないかねえ。」 やがて....
若返り薬」より 著者:海若藍平
気銃を抱いて涙ぐみました。 そのうちに不図お祖父様《じいさま》の手箱の中に赤い丸薬があった事を思い出しました。ちょうどお祖父《じい》様は御年始に行かれた留守で....
階段」より 著者:海野十三
しておいででしたか」と僕は痛い所を追求した。 「いやあれは鳥渡……僕の持薬である丸薬を落したから、拾い集めて居ただけなんです」と答えたが、その答えぶりから言って....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
それでは来るではなかったに」 二人同時に拳を開いた。と、二人の掌に黄金色をした丸薬が、寂然として載っていた。 「卜伝、どうして手に入れたな?」 「殿、どうして....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
んの少量で、ものすごいきき目がある。かの雷洋丸が爆沈したのも、実をいえば、わずか丸薬ほどの大きさのBB火薬が、第一船艙のある貨物の中に仕かけられていて、それが爆....
地球要塞」より 著者:海野十三
ので、すっかり咽喉をこわしてしまいましてねえ。おい、オルガ姫|咳止《せきど》めの丸薬をくれないか、三粒あればいいよ」 オルガ姫は、私の前にいたが、鞄の中から、....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
博士が、あまりにも空爆下に無神経でありすぎるのに愕き、周章てて持薬のジキタリスの丸薬をおのが口中に放りこむと、金博士を桟橋の上に積んだ偽装火薬樽のかげに引張りこ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
さい。そうすれば、自然に精神も安まります。それにはフランスの治療法によって肝臓の丸薬がよろしい。あなたは今日から私に治療を一任させていただきたい。なにしろあなた....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
者が書いた処方箋をたよりに、垢だらけの手で、そら豆のような莫迦に大きな、不恰好な丸薬を揉みだした。 そして、肺病とはこんな大きな玉を頬ばらねばならぬものかと、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
の下で調合するのでした。書生などはいませんから、浸剤などになると母が手伝います。丸薬は母のお得意でした。私はいつか呑み馴れて、いつまでも愛用しました。兄たちから....
卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
にも知られずにこうしてたずねて来たのだ。僕は、ここに、致死量のストリヒニンを含む丸薬を二粒持っている。これから、二粒の丸薬を二人でのもうと思うのだ。君にだけのま....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
とでもいおうか。なにかおいしそうな香気はつけてある。でなければ、あの鍍金した苦い丸薬です。それで飲みやすいかと騙されて飲むと、もともと苦くて口当たりの悪いのに変....
薬売り」より 著者:小川未明
さしあげておきます。」と、薬売りはいって、黄色な袋の中から、小さな紙包みになった丸薬を出して、太郎に与えたのであります。 「おじさん、どうもありがとう。」といっ....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
々に説明を求めるように言った。 そこへ仲好しのダンサーが、芥子粒のように小さい丸薬を掌に載せ、片手にコップを持って来て、 「初ちゃん、しっかりおしよ。さア、こ....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
っかり注ぎ込んで。他にはどんな薬もくれなかったが、しかし四日ほど前から胃のための丸薬と耳のための煎じぐすりだけをくれている。そのため僕はずっとよくなり力づいて来....