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「丹波〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丹波の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
べり交していた。すると今まで生徒と一しょに鉄棒へぶら下っていた、体量十八貫と云う丹波《たんば》先生が、「一二、」と大きな声をかけながら、砂の上へ飛び下りると、チ....
」より 著者:芥川竜之介
だけは事実らしい。 それより以前にも、垂仁紀《すいにんき》を見ると、八十七年、丹波《たんば》の国の甕襲《みかそ》と云う人の犬が、貉を噛《か》み食《ころ》したら....
」より 著者:芥川竜之介
として、事によると播磨《はりま》の国、山城《やましろ》の国、近江《おうみ》の国、丹波《たんば》の国のあたりまでも、もうこの噂が一円《いちえん》にひろまっているの....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
れてしまった。が、忌々《いまいま》しさを忘れるには、一しょに流された相手が悪い。丹波《たんば》の少将|成経《なりつね》などは、ふさいでいなければ居睡《いねむ》り....
鯉魚」より 著者:岡本かの子
る物も取りあえず京都から引返すという有様。 ここに細川方の幕僚《ばくりょう》で丹波《たんば》を領している細川|下野守教春《しもつけのかみのりはる》も、その数に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、本街道を行くと追っ手のかかる虞《おそ》れがあるので、武助と郡兵衛は廻り道をして丹波路へ落ちて来ると、郡兵衛は武助を途中で撒《ま》いて、どこへか逃げてしまいまし....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
ある。この廓《くるわ》にいる人でも大坂生まれは数えるほどで、近くても京《きょう》丹波《たんば》、遠くは四国西国から売られて来て、知らぬ他国で辛い勤め奉公している....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には死んでいたとはいよいよ運のいい奴です。作右衛門の兄弟は親代々の猟師で、甲州の丹波山とかいう所からもっと奥の方に住んでいて、甲府の町すらも見たことのない人間だ....
追憶」より 著者:芥川竜之介
を越えたことはなかった。僕はやはり西川といっしょに中里介山氏の「大菩薩峠」に近い丹波山という寒村に泊まり、一等三十五銭という宿賃を払ったのを覚えている。しかしそ....
天守物語」より 著者:泉鏡花
桃六 されば、誰かの櫛に牡丹も刻めば、この獅子頭も彫った、近江之丞桃六と云う、丹波の国の楊枝削よ。 夫人 まあ、(図書と身を寄せたる姿を心づぐ)こんな姿を、恥....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
方が、がらりと替って、楽屋で三味線の音を入れた。 ――必ずこの事、この事必ず、丹波の太郎に沙汰するな、この事、必ず、丹波の太郎に沙汰するな―― と揃って、異....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
焼を、はたはたと煽いで呼ばるる。……毎年顔も店も馴染の連中、場末から出る際商人。丹波鬼灯、海酸漿は手水鉢の傍、大きな百日紅の樹の下に風船屋などと、よき所に陣を敷....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
はなく、皆何か芸をしたものだけに、その時々には様々な異ったものが飛出したもので、丹波の荒熊だの、役者の紋当て謎解き、または袋の中からいろいろな一文人形を出して並....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
で来た。それをやりすごしながら、眇目の男はささやいた。 「あれは塩冶の奥方じゃ。丹波越しに本国の出雲へ落つるのじゃ。」 星明かりに透かして視ると、なにさまその....
古事記」より 著者:太安万侶
というのはどういう形をしているのですか」とお尋ねになつたところ、「その目《め》は丹波酸漿《たんばほおずき》のように眞赤《まつか》で、身體一つに頭が八つ、尾が八つ....