丹田[語句情報] »
丹田
「丹田〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丹田の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
や、水をくれ」とわめき散らした。水を飲ましてはいけぬと注意されていたので、蝶子は
丹田《たんでん》に力を入れて柳吉のわめき声を聴いた。 あくる日、十二三の女の子....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いつのどこが不思議だとおっしゃるんです!」 「だから、雑煮でもうんといただいて、
丹田に力でもはいるようにしておけというんだよ。おめえは大役仰せつかったといったせ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
りなく、これを五音と申します。……声あれども響きなきは、吉もなければ凶もなく、声
丹田より出る時は、上相声と申します。また舌端から出る時は、下賤破敗と申します。…....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
えた。けれども彼も尋常一様の曲者ではない。根岸刑事の脅迫するような言葉を、うんと
丹田に力を入れて跳返しながらきっぱり云った。 「何と云われても知らぬ事は知りませ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ます」 「うん左様か左様か、ねじ切った奴が好物とはなかなか話せるぞ、石斎、石斎、
丹田に力を入れての、うんときびしくねじ切ってつかわせよ」 磊落に言いながら、お....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
があった。 そこへ下り立った葉之助は、ベッタリ地の上に坐ってしまった。そうして
丹田へ力をこめ、しばらくの間|呼吸を止めた。それから徐々に呼吸をした。と、シーン....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ンズン上へ上がって行く。気が忙《せ》くので足が早まる。だが息切れのしないように、
丹田へ力をこめている。 「考えてみればあぶなっかしいものだ」小一郎は心中で考えた....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
てくれるものはありません、どうも都合が悪いと思いましたが逃げる訳にも行かず、私は
丹田に力を込めて目をつぶって揉んでもらいましたが、彼女の毒気が肩先きから沁み渡る....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
爽快いだものではなく、気のせいか、ぞくぞくと身に染みます。 おのれ、と心をまず
丹田に落つけたのが、気ばかりで、炎天の草いきれ、今鎮まろうとして、這廻るのが、む....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
うな切なさであった。不自然で、陰惨だった。 按吉は、時々、お天気のいい日、臍下
丹田に力をいれて、充分覚悟をかためた上で、高僧を訪ねることが、稀にはあった。坊主....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
さあ来い!」ここでゆっくりと、「来やアがれエーッ」 グッと引きつけた太刀の柄、
丹田にあてたは中段の序、そこでもう一度、 「来やアがれーッ」 だがこんな場合に....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
無想!」 馬琴は心で呟くと、故意と相手の姿は見ずに自分の足許へ眼を注けた。臍下
丹田に心を落ち付け、いつ迄も無言で佇んだ。 相手の武士もかかって来ない。青眼に....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
短銃で玻璃窓を狙う しかし足音はきこえなかった。 「では俺の方から歩いてやれ」
丹田の気を胸へ抜き、ほとんど垂直に爪先を立て、これも一種の忍術骨法、風を切って一....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
らわれた。 薪左衛門は、狂人ながら、さすがは武士、白木の柄を両手に持ち、柄頭を
丹田へ付け、鉾子先を、斜に、両眼の間、ずっと彼方に立て、ジッと刀身を見詰めた。立....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
拙者だ、さあ討ち取れ、切り込んで来い!」 主水の咽喉へ切先を差しつけ、左の拳を
丹田より上、三寸の辺りにぴたりとつけ、しかも腹部より二握りを距て、刀を構えて静ま....