丹花の唇[語句情報] » 丹花の唇

「丹花の唇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丹花の唇の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風流仏」より 著者:幸田露伴
仕業ぞ、酷らしき縄からげ、後の柱のそげ多きに手荒く縛し付け、薄汚なき手拭無遠慮に丹花の唇を掩いし心無さ、元結空にはじけて涙の雨の玉を貫く柳の髪|恨は長く垂れて顔....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
おなじ袋の緒をしめて、守刀と見参らせたは、あらず、一管の玉の笛を、すっとぬいて、丹花の唇、斜めに氷柱を含んで、涼しく、気高く、歌口を―― 木菟が、ぽう、と鳴く....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ような言いぶりで、 「はあ、人面瘡、成程、その面が天人のように美しい。芙蓉の眦、丹花の唇――でござったかな、……といたして見ると……お待ちなさい、愛着の念が起っ....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
った。 若衆は手弱女の頤の辺へ片手を掛けて顔を持ち上げ月の光につくづくと見た。丹花の唇、芙蓉の眉、まことに古い形容ではあるが、この手弱女には似つかわしい。下髪....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
のではなく、日の光|射す紫のかげを籠めた俤は、几帳に宿る月の影、雲の鬢、簪の星、丹花の唇、芙蓉の眦、柳の腰を草に縋って、鼓草の花に浮べる状、虚空にかかった装であ....
藪の鶯」より 著者:三宅花圃
ぎわのたちたる人物。まず細かに評せんには。一人は二八ばかりにして色白く目大きく。丹花の唇《くちびる》は厳恪《げんかく》にふさぎたれどもたけからず。ほおのあたりに....