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「丹青〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丹青の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
を紙に落さぬとも※鏘《きゅうそう》の音《おん》は胸裏《きょうり》に起《おこ》る。丹青《たんせい》は画架《がか》に向って塗抹《とまつ》せんでも五彩《ごさい》の絢爛....
三四郎」より 著者:夏目漱石
いた。すぐ受け取ったものを渡そうとして、ポッケットへ手を入れると、美禰子が、 「丹青会《たんせいかい》の展覧会を御覧になって」と聞いた。 「まだ見ません」 「招....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
敷に燕のように身を隠します。 そこの小座敷には、初期の浮世絵師が日永にまかせて丹青の筆をこめたような、お国歌舞伎の図を描いた二枚折の屏風が立て廻されてあって、....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
よれば、呉家の祖先なにがしと申せし人、最愛の夫人に死別せしを悲しみ、その屍の姿を丹青に写し止め、電光朝露の世の形見にせむと、心を尽して描き初めしが、如何なる故に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、松栄を父として生れた永徳が、生れながら、すでに名匠の血を持ち、むつきの間から丹青の中に人となり、後年大成すべき予備と、練熟とは、若冠のうちに片づけてしまった....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。 果して、興は船の進むと共に進みました。美酒佳肴の用意も申すまでもなく、丹青翰墨《たんせいかんぼく》の具まで備わらずということはありません。 興に乗じ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に赤は、昨日|硯海《けんかい》を飛び出したほどの鮮かさである。そうして、その道の丹青家をして垂涎《すいえん》せしめる。この色を出したい、いかにしてこの色を出せる....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
華誌上で発表せられたのである。平子君はつとに東京美術学校で日本画科を専攻せられ、丹青の道においても相当の手腕を持っておられたが、その得意の芸術眼から我が古代芸術....
食道楽」より 著者:村井弦斎
なる大隈伯爵家温室内の食卓にて巻頭に掲ぐるは画伯|水野年方《みずのとしかた》氏が丹青《たんせい》を凝《こら》して描写せし所なり。 この粧飾的《そうしょくてき》....
黒田如水」より 著者:吉川英治
の方面の事を了えて、秀吉が姫路へ帰って来たときは、もう九月となっている。木の香、丹青すべて新しき城に坐して、秀吉は初めて、こういった。 「お汝の老父や妻子は今、....