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主に
「主に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
主にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
を折った。
日の光をいっぱいに浴びた庭先には、葉の裂けた芭蕉《ばしょう》や、坊
主になりかかった梧桐《あおぎり》が、槇《まき》や竹の緑といっしょになって、暖かく....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、年には増した利発な子じゃ。そう温和《おとな》しくして居《お》れば、諸天童子も御
主にめでて、ほどなくそこな父親《てておや》も正気《しょうき》に還して下されよう。....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
へ帰ると、近習《きんじゅ》の侍に向って、愉快そうにこう云った。
「煙管は宗俊の坊
主にとらせたぞよ。」
五
これを聞いた家中《かちゅう》の者....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
の悪い聖母だと云う事ですよ。」
「まさか。」
「ところが実際そう云う事実が、持ち
主にあったと云うのです。」
田代君は椅子《いす》に腰を下すと、ほとんど物思わし....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
けねばならぬ事、豊作にも小作料は割増しをせぬ代りどんな凶作でも割引は禁ずる事、場
主に直訴《じきそ》がましい事をしてはならぬ事、掠奪《りゃくだつ》農業をしてはなら....
「親子」より 著者:有島武郎
をする場面にぶつかることができたのだ。父は長い間の官吏生活から実業界にはいって、
主に銀行や会社の監査役をしていた。そして名監査役との評判を取っていた。いったい監....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
養ある食物として私に役立つだろう。私のこの椅子に身を託して、私の知り得たところを
主に私自身のために書き誌しておこうと思う。私はこれを宣伝の為めに書くのではない。....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
。それからの一年半の長い長い天との婚約の試練も今夜で果てたのだ。これからは一人の
主に身も心も献げ得る嬉しい境涯が自分を待っているのだ。 クララの顔はほてって輝....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
よってギリシアに紹介されてから約五〇年後に当る。当時ギリシアとバビロンの間には、
主にフェニシアを通じて、交通があるにはあったが、恐らくこの周期は両国で独立に見出....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
やがる。 「出したいから出した迄だ、別に所以のある筈は無え。親が己れの阿魔を、救
主に奉ろうが、ユダに嫁にやろうが、お前っちの世話には相成ら無え。些度物には理解を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
みらるる人達は常にこの事を念頭に置いて戴きとう存じます。そんな訳で、私の通信は、
主に私がこちらの世界へ引移ってからの経験……つまり幽界の生活、修行、見聞、感想と....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
の読売新聞社と大倉組との間あたりにこの舶来屋がありました。尤もこの店は器物食器を
主に売っていました。それから大倉組の処からもう少し先き、つまり尾張町寄りの処にも....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
与えるのではないかと私は思っている。 北海道といってもそういうことを考える時、
主に私の心の対象となるのは住み慣れた札幌とその附近だ。長い冬の有る処は変化に乏し....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
、高い声で話をしながら坂を登って行きました。二人は浜へ嫁に行っていた村の娘が、亭
主に死なれて帰って来たという話を、さもさも大事件のように力を入れて話していたので....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
巻きをした船頭が一人一丈余りの櫓を押していた。それからお上さんらしい女が一人御亭
主に負けずに棹を差していた。こういう水上生活者の夫婦位妙に僕等にも抒情詩めいた心....