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「主人持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

主人持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
もその仲間ではないかとも危ぶまれた。彼は自分で自分の不人情を責めた。 「わたしは主人持ちで、思うように看病にも来ていられないからね。気の毒だけれども、姐《ねえ》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ずうしい奴です。曽根も腹立ちまぎれに斬ってしまおうかと思ったのですが、自分も今は主人持ちですから、旧主人のかたきを討つというのは少し面倒です。取り押さえて番所へ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は出来ないで、諸人がうたがいの眼は先ず彼の上に注がれた。場所といい、事件といい、主人持ちの彼に取っては迷惑重々であったが、よんどころない羽目と覚悟をきめたらしく....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
上って、多吉夫婦の耳にもはいらないではない。それにつけてもうわさとりどりである。主人持ちの多吉は茅場町の店からもいろいろなことを聞いて来て、ただただ妻のお隅と共....
」より 著者:徳田秋声
。年が合わなかったり、商売が気に入らなかったりした。双方いいのは親係りであった。主人持ちであった。 するうちに、お増はだんだん年を取って来た。出る間際のお増の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んに送って来て貰ってはまことに困るから、どうかここで別れてくれとしきりに頼んだ。主人持ちのかれとしては定めて迷惑するであろうと、半七も万々察していたので、この上....
黒猫」より 著者:島木健作
ぼした影響の一つであることはいうまでもない。生れながらの宿なしもあるが、最近まで主人持ちであったというものも多い。彼等は実にひどく尾羽うち枯らしている。曾つて主....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
けたか、わからない。 日の暮方、サルトルは雲隠才蔵をよびだして、 「雲さんや。主人持ちは、つらいねえ。どうだい。一旗あげたいと思わないか」 「チェッ。おだてる....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
店後徴兵検査までの約六年間を少年級として、少年寄宿舎に入れ、衣類医療等いっさいを主人持ちとして、小遣いは初め月に十四、五円(給与いっさいにて)、漸次増して三十円....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
るが、三月末に入ってそれから徴兵までの約六年間を少年級とし、衣類医療等いっさいを主人持として、小遣いは初め月に五六円で、漸次増して、三十円くらいになる。そしてこ....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
本犬も訓練次第で、いつかはレース向きに仕込めるかも知れませんが、とにかく日本犬は主人持ちでようやく一犬前となって、バカはバカなりに一途に番犬の役を果す。それだけ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
って来るのです。 その旅行の予定がまず四ヵ月間。そこでお前の食物および着類等は主人持として、一ヵ月の賃銭が七円五十銭、その半額だけを前金に渡すという約束で雇い....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
せの奉公人という様な別があるのでありますが、これを通じては奴婢とも申した。つまり主人持ちの身分で、天皇|直隷の国家の公民ではありません。この家人・奴婢にも、公私....
「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
中の一階級の名であった。彼らは無論良民とは歯されない。しかしながら彼らはもともと主人持ちであるから、その主人が勢力があれば、自然と家人にも勢力が付いて来る。社会....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
る人という義であると解する。すなわち本来は他人の家に属するもの、すなわちいわゆる主人持ちの義である。されば社会の上流に位する貴族の如きも、これを天皇に対し奉って....