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「主客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

主客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
子で、 「先刻より待ち申してござる」と挨拶した。 甚兵衛は返す言葉がなかった。主客は、恐ろしい沈黙のうちに座敷へ通った。 すると、惣八郎の養女が静かに匕首《....
婦系図」より 著者:泉鏡花
へ出かけて、ここにも立淀む一団の、弥次の上から、大路へ顔を出した……時であった。主客顛倒、曲者の手がポカリと飛んで、礼之進の痘痕は砕けた、火の出るよう。 「猿唐....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
生命にあてはめようとする愚かな無駄な企てではないか。科学者と実験との間には明かに主客の関係がある。然し私と私の個性との間には寸分の間隙も上下もあってはならぬ。凡....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
生活である。寒帯文明が中心となってでき上がった人間の生活状態というものは、やはり主客転倒したものである。…… この二つのものは別々であってよいかと言うに、これ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
なった、今や茶は生の術に関する宗教である。茶は純粋と都雅を崇拝すること、すなわち主客協力して、このおりにこの浮世の姿から無上の幸福を作り出す神聖な儀式を行なう口....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
悉して居るように云うのを聞くが、私には首肯出来ない。一昼夜のうちに或る一定時間に主客として逢ったとて要するにそれはその人にとって置きの対人的時間を選んで逢ったも....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
の大呼び物であるところのドラマ『イネ国の崩壊』が始まっていた。一万五千人にのぼる主客は、固唾をのんで、その舞台面に見入っていた。 イネ国の崩壊! イネの国民....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
つ微細なる活字となって、しかも、各々五色の輝を放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、句読、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました真白な枚の上へ、自然と....
流線間諜」より 著者:海野十三
また転がるところを隙かさず逆手を取って上からドンと抑えつけた。 「さあ、どうだ」主客はハッキリと転倒してしまった。――帆村が云い含めてあったのか、この騒ぎのうち....
貞操問答」より 著者:菊池寛
れるものか。どんなことがあっても頑張る、どんな手段でも取る!)と、云いつづけた。主客転倒で、今度は新子がだまりこんでしまった。 前川は、ふと空を見上げた。昨夜....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
心にふさわしき器物の取なしや配合調和の間に新意をまじえ、古書を賞し古墨跡を味い、主客の対話起座の態度等一に快適を旨とするのである、目に偏せず、口に偏せず、耳に偏....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
の話題へはいりに立って来ようとするので二人はあわてて席へ戻った。やっと落ち付いて主客話し合おうとして見たが、応接間で印度の女達から受けたちぐはぐな気持がお互いの....
式部小路」より 著者:泉鏡花
当右側の室に、黒塗の板に胡粉で、「勝山夏」――札のそのかかれるを見よ。 病室の主客が、かく亡き俤に対するごとき、言語、仕打を見ても知れよう。その入院した時、既....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の室内の装飾でもちょっと知り得ることが出来るです。その問答の次第は次に述べます。主客席定まって司令長官が私に尋ねて言いますには「この度あなたは我が国へ出て来てど....
活人形」より 著者:泉鏡花
出迎えて、「これは高田|様でございますか。まあ、こちらへ。と二階なる密室に導きて主客|三人の座は定まりぬ。高田は笑ましげに巻莨を吹して、「早速ながら、何は、令嬢....