主家[語句情報] » 主家

「主家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

主家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
。 林右衛門は、修理の逆上が眼に見えて、進み出して以来、夜の目も寝ないくらい、主家のために、心を煩《わずら》わした。――既に病気が本復した以上、修理は近日中に....
星座」より 著者:有島武郎
離れ離れな心で生きてゆくものなのだ。底のないような孤独を感じて彼女はそう思った。主家の大きな門の前に来た。朋輩たちがおせいの帰りの遅いのをぶつぶつ言いながら、彼....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いろいろの秘密がひそんでいる。正直に何もかも話してくれたようであるが、用人とても主家の迷惑になるようなことは口外しなかったに相違ない。したがって此の事件の奥には....
蠅男」より 著者:海野十三
トに入れたまま、帆村に別れをつげて帰っていった。帆村はこの少年のために、そのうち主家を訪ねて弁明をすることを約束した。 ホテルでは、愕き顔に帆村を迎えた。 ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の流れを汲む里見の家では日ごろ尊崇している神社であるから、庄兵衛がそれに参詣して主家の安泰を祈るのは無理もないことであった。 神社は西岬村のはずれにあるので、....
霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
れからずっと同居している――と、了解《りょうかい》していた。 隆夫は、めったに主家《おもや》に顔を出さなかった。それは治明博士が隆夫のために、例の無電小屋を居....
金属人間」より 著者:海野十三
ある煉瓦建《れんがだて》の建物の中に部屋をあたえられて住んでいた。もっともそれは主家《おもや》から廊下《ろうか》がのびてきているとっつきの部屋であった。 お三....
凧の話」より 著者:淡島寒月
、五年ばかり前まで、上野のいとう松坂の横で凧屋をしていたが、この人の家の奴凧も、主家のを写したのであるから、やはり三津五郎の顔であった。 それからもう一つ、私....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ぶべからざるの場合を忍んで、あえてその奇功を収めたる以上は、我事すでに了れりとし主家の結末と共に進退を決し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の栄辱を外....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
上人さまの御証明を得たからには、もう安心いたしました。では、これを土産に勇んで御主家へ戻ります。では御機嫌よう。お上人さま』 蓮如『まあ待ちやれ、おくみ、そなた....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
、京都高倉の御召呉服商長野商店の支配人を永らくいたしておりました。祖父は、一時、主家の血統が絶えようとした時、縁つづきの人をさがし出し、この人を守り立てて主家再....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
うして密々に訊ぬるのじゃが、どうじゃ、お身。これでも正直に明かしてはくれぬか。」主家に忠義、朋輩に親切、あっぱれの武士じゃと褒められたいような彼の口ぶりを、侍従....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
う縁故であったか知らないが、伊藤の屋号をやはり伊勢屋といったので推すと、あるいは主家の伊勢長の一族であって、主人の肝煎で養子に行ったのかも知れない。 伊藤とい....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
上に積れかし 限りある身の力試めさん これは尼子十勇士の一人の山中鹿之助が主家の再興を図りましたけれども、ほとんど絶望であることが発見されてのち詠み出でた....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
私は脱いだ靴をまた履いて、東山邸にいそいだ。 品川の海を見晴した宏壮な邸も、主家の一部と離れの茶室だけが残って、あとは全部戦災を受けていた。あの体面を気にか....