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主格
「主格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
主格の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
の持つ概念から考えてもわかるように、この語の原形、すなわち引き抜くという他動詞の
主格はいつの場合にも会社であり、俳優や監督は目的にしかすぎない。 引き抜くのは....
「惜別」より 著者:太宰治
、支那では、忠孝とは言っても、忠は孝の接頭語くらいの役目で添えられているだけで、
主格は孝のほうにあると言っていいのです。しかし、この孝も、もともとそんな政策の意....
「青年」より 著者:森鴎外
の外に遠慮深い小声である。しかし静かなこの室では一句も残らずに聞える。それが始終
主格のない話ばかりなのである。 大村が黙っているので、純一も遠慮して黙っている....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
我々の日常会話は、常に「賛成だ」とか「水が欲しい」とかいう。そして、「私」という
主格が、いつも省略されているのである。故に日本に於て有り得る芸術は、いつも必らず....
「昨今の話題を」より 著者:宮本百合子
供らの胎内での条件もより発育のために有利に変って来ているわけである。生れるという
主格の受動性を示す文法上での表現は、とりも直さず我々人間が歴代、子として親を選択....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う少し立入って見れば、「お嫁さんでも」というのと「お嫁さんにでも」というのでは、
主格に根本的の異動が生じて来るわけあいのものなのです。 お雪ちゃんに笑い消され....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
」は即ち会戦の旦也と注せられた。共に同じ用法である。この歌の「立ちて見に来し」の
主格は、それだから阿菩大神になるのだが、それが一首のうえにはあらわれていない。そ....
「掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
人でほんとに退屈だわ。この頃余り来ないのよ。(秀子は伊藤のことを云うのに、いつも
主格をぬきにして何気なく云ってのけるのであった。)あした来て下さらないこと。御馳....
「小林さんと私のツキアイ」より 著者:坂口安吾
の半年ぐらい後だろう。春陽堂から「文科」という半営業的な同人雑誌がでた。同人の頭
主格は牧野さんで、小林、河上、中島健蔵、嘉村礒多、ほかに誰がいたッけな、そして私....
「清水幾太郎さんへの手紙」より 著者:三好十郎
ある種の戦争には積極的に賛成するもので、現にしている。彼らの各種の憲章に、つねに
主格として登場するのは「労働者と農民と兵士」です。 実際的にもマルクシズム=共....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
く、「惟」は意義のない発語であり、「神」は「我が子しらさむとことよさしき」の語の
主格となっているものであるのを、いつのころからか、こういう誤った訓みかたがせられ....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
。すなわち今までの句はおおかた、大蟻がどうかして暑さかな、というふうに「大蟻」を
主格として取り扱ったのですが、この句は「松」を
主格として、大蟻がその脂につくとこ....