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主治
「主治〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
主治の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
極度に過敏になった夫人の神経は、些細《ささい》な物音にも怯えるようになりました。
主治医は、夫人の生命そのものについても、憂慮を懐くようになりました。 その上、....
「振動魔」より 著者:海野十三
胤であるか位は、何の苦もなく判ってよ、それに貴方は右策とは切っても切れない患者と
主治医じゃありませんこと。あなたの血液型なんかその喀痰からして、もう夙くの昔に判....
「蠅男」より 著者:海野十三
ソコソと話をしているちゅう挙動不審の男だすがな」 「フーム、何者だネ、彼は」 「
主治医や云うてます。なんでも宝塚に医院を開いとる新療法の医者やいうことだす。さっ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
執事に聞いたが、執事はぜったいにまちがいでないこと、またそんなにうたがわれるなら
主治医に聞かれたいと、すこし怒ったような声でこたえた。 (すると、出発当日、艇の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ろうとするのを、ドクトルは横合からさしとめた。 「患者に手をかけてはならぬ。私は
主治医だ」 「なにを、――」 「おいジャック。もういい、やめろ」 と、リット少....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
のいい人で、色男がるくせに、頭髪さ、すべりと一分刈にしている処で、治兵衛坊主、坊
主治兵衛だ、なあ、旦那。」 かくと聞けば、トラホーム、目の煩いと思ったは恥かし....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
が悪いんで、大した容体でもないが、海岸へ転地が可い、場所は、と云って此地を、その
主治医が指定したというもんです。 小児の病気とはいいながら、旅館と来ると湯治ら....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ので、ハイヤアを奮発することにした。療養所に着くと、彼は直接、医局のドアを叩き、
主治医に面会を求めた。小柄な、学位論文を書いていそうな青年医師である。 「僕は、....
「笑について」より 著者:岸田国士
先生は即座に肋膜と診断したのです。そして当分、絶対安静を命じました。すると産科の
主治医は「産婦は三週間以上横になつたままでいるとちよつと困るのだ。その理由は、即....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
を書かぬとは言えないだろうし、そう言えば、老人がこのたび死病にとりつかれたのに、
主治医としてN博士とその助手が二人ほど診に来たばかりで、百万長者の生命を治療する....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、) (勝山さん、) という工合が、何の事はない。大町人の娘が、恋煩いをして、
主治医が診察に見えたという有様。 先生がうまい事をいいましたって。 (勝山さん....
「小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
築地小劇場劇団部主事小山内薫先生は、昭和三年十二月二十五日午後七時、日本橋亀島町旗亭「偕楽園」において発病、
主治医蘆原信之氏看護のもとに危篤のまま四谷南寺町七番地の自宅に送られ、同日午後十....
「西航日録」より 著者:井上円了
家の大計に関せざるはなし。その論極めて大にして、その心最も切なり。ときどき船中の
主治医岡村氏および事務長小野氏これに加わりて、五人内閣を団成し、中央のテーブルと....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
の心を憂鬱にさせる。なるほど達也は腺病質で弱い、夫婦とも壮健なのに不思議だ、と、
主治医も常に首を傾げている、するとやっぱり――、彼女の胸には疑念が湧いた、が、そ....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
がら、高齢にも似合わず、不思議な生命力があって、臨終にはまだ間がありそうだ、と、
主治医は語った。 枕許には伯爵夫人と一雄夫人が詰めきり、次男の薫が時折交代して....