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「乃公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乃公の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
「同じように赤鉛筆の丸のついた文字を辿って読んでみると、――きさまが血まつりだ。乃公は思ったことをするのだ。蠅男――どうです。玉屋家の脅迫状と全く同じ者が出した....
見えざる敵」より 著者:海野十三
んでもいいから早く社長を探してくれ。急ぎの原稿があるんだ。社長に早く見せないと、乃公は馘になるんだ」 そういった次長も、上衣をつかむが早いかすぐエレベーターの....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
などにとっては、美しくもあれば、ときにはまた薄気味わるく感ずることもあるのだ。(乃公は夢で、同じ町を幾度となく見る)と、彼は空ろな眼をギロリと動かしていうのであ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
も、耳朶を赤うするまでに、たといいかなるものでも、社会の階級の何種に属する女でも乃公が気に入ったものをという主張をして、華族でも、士族でも、町家の娘でも、令嬢で....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
を一目見ると顔じゅう真赤にして怒鳴った。 「阿Q! キサマは何とぬかした。お前が乃公の御本家か。たわけめ」 阿Qは黙っていた。 趙太爺は見れば見るほど癪に障....
明日」より 著者:井上紅梅
棺桶を一つ買い取ることにした。藍皮阿五は横合いから手を出して「そんなことは一切|乃公に任せろ」と言ったが、王九媽は承知せず、「お前にはあした棺桶を舁がせてやる」....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
まま用いた。七年四月二日しるす。 一 今夜は大層月の色がいい。乃公は三十年あまりもこれを見ずにいたんだが、今夜見ると気分が殊の外サッパリして初....
」より 著者:井上紅梅
した。 「あの小わッぱめ。命が惜しくねえのだ。命が惜しくねえのはどうでもいいが、乃公は今度ちっともいいことはねえ。正直のところ、引ッ剥がした著物まで、赤眼の阿義....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
剥き出し 「汝はなんすれぞ斯くの如く空に憑って人の清白を汚す」 「何、清白だと?乃公はお前が何家の書物を盗んで吊し打ちになったのをこないだ見たばかりだ」 孔は....
端午節」より 著者:井上紅梅
ると百八十円。この払いが出来ますか」 彼女は彼に目も呉れずに言った。 「フン、乃公はあすから官吏はやめだ。金の引換券は受取ったが、給料支払要求大会の代表者は金....
風波」より 著者:井上紅梅
い按排だね。天子様がおかくれになれば大赦があるんだよ」 七斤はまた溜息を吐き「乃公は辮子がない」 「天子様は辮子が要るのかね」 「天子様は辮子が要る」 「お前....
鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
ている。一同は喜んで明日は鰌を買ってやりましょうと言った。エロシンコ君はその銭は乃公が出すと言った。 エロシンコ君は本を教えに出掛けたので、皆そこを離れた。仲....
村芝居」より 著者:井上紅梅
雙喜は言った。われわれは皆おかへ上った。阿發は跳ね上って 「ちょっと待ってくれ、乃公に見せてくれ」 彼は行ったり来たりしてさぐってみたが、急に身を起して 「乃....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
て来たようなものが、これこそ真の芸術だ。その作者こそ初めて真の芸術家だ。そうして乃公は……それしきのことが何だ……」 彼はそこまで考えると、いきなりベッドから....
活人形」より 著者:泉鏡花
、というに亭主はほくほく喜び、見事善根をしたる所存、傍聞する女房を流眄に懸けて、乃公の功名まッこのとおり、それ見たかといわぬばかり。あわれ銀平が悪智慧に欺むかれ....