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「久方振り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

久方振りの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
象牙の牌」より 著者:渡辺温
と云っても決してそれは不愉快でない程度におけるはげしさの雨の音をじっと聞き乍ら、久方振りで眺められる懐しい東京の風景……家こそもう失くなっていたが僕の生まれた土....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
明致しましたので、多分、自宅へお帰りになる途中で、誰か極めて懇意な人に出会って、久方振りに脱線された結果、帰り道を間違えて、あすこの石垣の上から落ちられたもので....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
具を荷いで因幡町の恩師、浅川一柳斎の道場へ出かけた。 一柳斎は、むろん大喜びで久方振りの愛弟子に稽古を付けてくれたが、稽古が済むと一柳斎が、 「ホホオ。これは....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
になって中風の気味で郷里福岡の片傍りの伯父の家に寝ているのであるが、これをこの間久方振りに帰郷した時見舞いに行って見ると、折節伯父伯母は下女を残して外出の留守で....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
日本人だぞと大ぴらに本国の国籍を表明していて一向さしつかえないのであった。私は、久方振りのこうした安楽した気持におちついたので、願わくば、今二三月もこの土地で静....
日記」より 著者:宮本百合子
月三日(土曜)晴 暖、風 〔摘要〕小田切、松岡、徳岡文蔵、久米正雄、古橋氏来訪久方振りに来た人達は女のいそがしいのも迷惑なのも忘れて又そんな事なんか考えもしな....
東京宝塚劇場の再開に憶う」より 著者:小林一三
三十年一月二十七日をもって接収を解除され東宝の手に戻ったのであります。 そして久方振りに宝塚歌劇を上演、軒高く五線譜の淡い薄緑のネオンが輝き、美しい歌声のもれ....