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乍
「乍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
間で怱忙《そうぼう》の中に作成した。その自分がこれらの余戯《よぎ》に耽《ふけ》り
乍《なが》ら、とにかく卒業する事の出来たのは、一に同大学諸教授の雅量に負う所が少....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
おうちゃくな根性ですましていたが、こうなってみると、いくら「候間」や「候段」や「
乍憚《はばかりながら》御休神下され度」でこじつけていっても、どうにもこうにも、い....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
上へ寂しい暗黒を投げかけたであろう。東京を焼かれた我我は今日の餓《うえ》に苦しみ
乍《なが》ら、明日の餓にも苦しんでいる。鳥は幸いにこの苦痛を知らぬ、いや、鳥に限....
「階段」より 著者:海野十三
段であった。それはわずかに人一人を通せるほどの狭さで、鉄板を順々に螺旋形にずらし
乍ら、簡単な手すりと、細い支柱で、積み重ねて行ったものだった。思わずその下に立ち....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
切型に氏の長身が太い御影石の門に現われるのでした。私は細田氏に拾われることを信じ
乍らも万一他の御用聞きなぞに拾われることをも覚悟の中に入れて定刻二分前に門前十歩....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
ことです。恰度その時のことです。―― 不図気のついた僕は、受話器の底に極く微か
乍らヒューッという唸音らしきものが入っているのを聞きとることが出来ました。其の唸....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
等は読唇術で用談を片付けた。 「馬車を……。矢口」 私はこの古風な乗物に揺られ
乍ら推理をすすめて行くのが好きだった。 「中央天文台へ」 私は上機嫌で命じた。....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、佐野家第十代昌一ヲ始メ妻英、長男晴彦、二男暢彦、三男昌彦、二女陽子ノ六名、恐レ
乍大君ニ殉ズルコトヲ御許シ願フ次第也 一、一族憤激シ、絶頂ニ在ルモ、倶ニ抱キ朗顔....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ぬであろう。今日でも文学は他の職業と比べて余り喜ばれないのは事実である。が、然し
乍ら今日では不利益なる職業と見らるゝだけであるが、二十五六年前には無頼者の仕事と....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は何処にも見かけないのでした。 『私の若月も爰に居るのかしら……。』 そう思い
乍ら、不図向うの野原を眺めますと、一|頭の白馬が群れを離れて、飛ぶが如くに私達の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
っと後世になりても、その点に於て何の相違もない。ポーロとペテロは同一の真理を説き
乍ら、必然的に別の角度から之をのぞいている。どちらの説く所も虚偽ではないが、しか....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
子供や隠居老人などが、らちもなき手真似をやって居るものは、固より数限りなくある、
乍併之れらが到底、真の茶趣味を談ずるに足らぬは云うまでもない、それで世間一般から....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
作さんは、何んでも、彼でも、探偵小説にせずにはおかないと云った、熱と、力量は自分
乍らも相当自身があっただけに、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレベル....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
態に陥ってしまったが遂に謝り状は書かずに朝迄頑張ってコブだらけの顔でビッコを引き
乍らやっとのことで友人の家に辿り着いた。さあそれから、学生が大勢集って来て、大変....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
、上の方に「石見国府址伊甘の池」の写真の下に、「拝啓 今般は御高著いただきいつも
乍ら御同情感謝にたへませぬ 高級小説になると見さくる高峰のやうな気がいたします、....