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乖離
「乖離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乖離の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
離合関係を明瞭《めいりょう》に表わすものである。したがって、縦縞にあっては二線の
乖離的《かいりてき》対立が明晰《めいせき》に意識され、横縞にあっては一線の継起的....
「運命」より 著者:幸田露伴
|尽く廃りて、不振の形勢|新に見われんとす。将卒を強いて戦わしめんとすれば人心の
乖離、不測の変を生ずる無きを保せず。諸将争って左するを見て王の怒るも亦宜なりとい....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
べくまたなしうべきを思い得ず、事は成らずして畢竟再び母とわれとの間を前にも増して
乖離せしむるに過ぎざるべきを思いぬ。母に逆らうの苦はすでになめたり。 広い宇宙....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
そ「知能的」な、自負や期待を有つことが出来た。その言葉にどれだけの嘘と実際からの
乖離とがあったにしても、とに角無産者の側に〔つき〕、無産者の〔利害関係の〕下に進....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
素よりこの言葉の意味は正しい。併しこの矛盾とは、論理的規範としての真理価値からの
乖離を意味する論理上の矛盾のことではなくて、物質的存在がその内部的必然性によって....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
方だと考えざるを得なかった処に、横たわっている。模倣即ち模写は、永久に原型からの
乖離であるという、現実に対する理想主義的絶望(之はユートピア主義の論理的構造の常....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
め、お互い、慎重に、あくまで科学的に論議を闘わすべきだろう。およそ科学的精神とは
乖離的な「知識偏重論」が、跋扈する折から、こうした科学論が、溌剌と進められて行く....
「運命のままに」より 著者:豊島与志雄
対する信念が裏切られたら、私はどうなるであろう。そして私は私と英子との心の方向が
乖離してきたのを余りに多く知りすぎていた。暗夜のうちに進み入るような戦慄を私は覚....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
》にかかってき、私は次第に受太刀になって詭弁を弄したが、それも結局二人の間を益々
乖離させるばかりだった。彼女は私の云うことを真正面から受け容れはしなかったし、私....
「情意の干満」より 著者:豊島与志雄
を、私は考えるのである。直接的なもの現実的なものと、間接的なもの理想的なものとの
乖離が、不安な焦慮を齎す。現在に対して絶望が頭をもたげ、未来に対して信念が薄らぐ....
「異邦人の意欲」より 著者:豊島与志雄
せる結果になる、そういう種類のものである。そこに、作者の芸術的意図と生活意欲との
乖離がある。 新しい見解や思想など、凡て新しい視角には、それに相応する新しい表....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
そういうのが、イスラエル民族と彼との最初の邂逅《かいこう》であった。他の民族と
乖離《かいり》してるこの強健な民族のうちに、彼はおのれの戦いの味方を見出し得るこ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
であろうか。それでは余りに矛盾が大き過ぎる。鶴見の読後感には何かそういった思想の
乖離があった。よそよそしさがあった。それを長い間どうすることも出来ないでいた。鴎....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、三山の親切に対して強て争う事も出来ずに不愉快な日を暮す間に、大阪の本社とは日に
乖離するが東京の編輯局へは度々出入して自然|親みを増し、折々編輯を助けて意外な新....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
ればならないのである。 顧みれば、人間の生活は虚と実がつきまとっている。これを
乖離することは甚だ困難である以上、料理もまた虚々実々の真骨髄に触れるところがなけ....