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乗
「乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
けた花嫁《はなよめ》が一人、何人かの人々と一しょに格子戸を出、静かに前の人力車に
乗る。人力車は三台とも人を
乗せると、花嫁を先に走って行く。そのあとから少年の後ろ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
を吹いて、一匹の黒犬を呼び出しながら、
「この犬の名は飛べと言って、誰でも背中へ
乗ってさえすれば百里でも千里でも、空を飛んで行くことが出来る。明日《あした》はま....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
迦《ばかばか》しい次第さ。しかしそれも僕の発議《ほつぎ》じゃない。あんまり和田が
乗りたがるから、おつき合いにちょいと
乗って見たんだ。――だがあいつは楽じゃないぜ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
、行《ゆ》く方《え》をつき止める事も出来ないのに違いない。これは自分一人でも、名
乗《なのり》をかけて打たねばならぬ。――左近はこう咄嗟《とっさ》に決心すると、身....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
うである。
「これは君の責任だ。早速上申書を出さなければならん。生憎《あいにく》
乗客は残っていまいね?」
「ええ、一時間ばかり前に立ってしまいました。もっとも馬....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。時々真夜中ニ私ノ体ヘ、『アグニ』トイウ印度ノ神ヲ
乗リ移ラセマス。私ハソノ神ガ
乗リ移ッテイル間中、死ンダヨウニナッテイルノデス。デ....
「墓」より 著者:秋田滋
と思ったのであります。 わたくしは鋤と提燈と槌をもって家を出ました。墓地の塀を
乗りこえて、わたくしは彼女を埋めた墓穴を見つけました。穴はまだすっかり埋めつくさ....
「初雪」より 著者:秋田滋
年が明けて、まだ幾日もたたない頃のことだった。彼女は大きな不幸に見舞われた。
乗物の事故のために、両親が不慮の死を遂げたのである。葬儀に列席しなければならなか....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
をさえ講義し天下を経綸せんとする者が、オメオメと猿が手を持つ蟻が臑を持つの風船に
乗って旅しつつ廻るのと、児戯に類する事を学ばんや。東京に出でばかかる事はあるまじ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
はヨウ素なのだ。 パリを立つ前に、ファラデーはナポレオンをちょっと見た。馬車に
乗って、黄鼬の大きな長衣を着こみ、頭には天鵞絨の帽子を戴き、鳥の羽がさがりて顔も....
「寡婦」より 著者:秋田滋
です。 また、その子はよく、夕食のあとで、私の母のそばへ行って、その膝のうえに
乗って、こんなことを云うのでした。 「ねえ、伯母さま、恋のお話をして下さいな」 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
で、ときたま村の人たちが見かけるときには、夜の闇のなかを疾走し、あたかも風の翼に
乗っているようだということだ。その亡霊のあらわれるところは、この谷間だけに限らず....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
人は、人間のごときものは、もはや、とるに足らぬつまらぬものであることが解る。船に
乗って人の群がる岸を離れてみよ。やがて岸だけしか見えなくなる。生きものはだんだん....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
三人かたまり五人集って、三里の道を博多へと帰り始めたとお思い下さい。勿論その時分
乗りものが有ろう筈もない。 然るに湧き返る青年達の血潮は玄海灘から吹きつける肌....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
夕方、日の陰る頃を見計って朝太郎の吉松殿は、牡丹に丸の定紋のついた、立派な駕籠に
乗せられて、城下の方へつれて行かれました。そして、その代りに莫大な金が太郎右衛門....