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乗せる
「乗せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
、何人かの人々と一しょに格子戸を出、静かに前の人力車に乗る。人力車は三台とも人を
乗せると、花嫁を先に走って行く。そのあとから少年の後ろ姿。格子戸の家の前に立った....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ているのは、仏弟子《ぶつでし》の所業《しょぎょう》とも思われぬ。おまけにあの女を
乗せる事は、おれのほかに誰も頼まなかった。――おれはそう思うたら、今でも不思議な....
「或る女」より 著者:有島武郎
》をしてみたが、それには自分ながら気がひけたので、右足を左の腿《もも》の上に積み
乗せるようにしてその足先をとんびにしてすわってみた。ちょうどそこにかなり酔ったら....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
るか。 ほとんど口の先まで出たけれど、僅かにこらえて更に哀願した。結局避難者を
乗せる為に列車が来るから、帰ってからでなくてはいけないということであった。それな....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
。しかし僕の守りをした「つうや」はなぜかそれを許さなかった。あるいは僕だけ馬車へ
乗せるのを危険にでも思ったためかもしれない。けれども青い幌を張った、玩具よりもわ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
う、それは一たいなにごとですかい」 「こういうのです。――むこうの艇に三人ばかり
乗せる余裕があるから、わしをはじめ、長良川博士、ほかに、たれかもうひとりというと....
「恐竜島」より 著者:海野十三
う千二百トンばかりの貨物船《かもつせん》だった。 貨物船とはいうものの、船客も
乗せるようになっていた。さすがに一等船室というのはないが、二等船客を十二名、三等....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
らな」 5 新鋭戦艦マサチュセッツは大統領とその幕僚、それに金博士を
乗せると、沖合さして二十三ノットの速度でのりだしていった。 「ルーズベルト君。こ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、ちょっとむっとした。
「わが火星にある宇宙艇は、スピードもたいへん早いし、人を
乗せるにしても、一せきの中に千人や二千人は、大丈夫だ。一万人乗のものもある。この....
「転機」より 著者:伊藤野枝
えられなかった。といって、今泥の中から抜き出したばかりの足を思い切って草履の上に
乗せることもできなかった。 「おい、そんなところにしゃがんでいてどうするんだい。....
「橋」より 著者:池谷信三郎
シイカの姿が現れた。ぐでんぐでんに酔払った紳士が、彼女を抱えるようにして自動車に
乗せる。車はそのままいずれへともなく暗の中に消えて行く。…… 彼の頭がだんだん....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
した、進んで何か言いたいことでもあったと見える、別の吸子に沸った湯をさして、盆に
乗せるとそれを持って、前垂の糸屑を払いさま、静に壇を上って、客の前に跪いて、 「....
「中支遊記」より 著者:上村松園
られる自動車がずらりと並んで駐車しているのを思いだす。あれだけの自動車がいつ客を
乗せる番に廻り合わせるのかと思っただけで気が揉めるであろうのに、支那人は悠々と待....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
進行するに、東北風に送られて少しく揺動す。しかれども、マニラ行の一等船客多数に入
乗せるをもって、船中盛況を現す。 十五日、晴れ。暁来、暑気大いに加わる。風静か....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
は赤星の指図に従って彼と刑事との間に腰かけた。 「前の補助椅子にもう一人の刑事を
乗せるから、杉山さんは人垣に囲まれるわけだ、これなら安全でしょう?」 三人の刑....