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乗切る
「乗切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
みちはば》が狭隘《せばい》ので尚お一段と雑沓《ざっとう》する。そのまた中を合乗で
乗切る心無し奴《め》も有難《ありがた》の君が代に、その日|活計《ぐらし》の土地の....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ることが出来た。頼もしくもまた悲しくもあった。 しかしながら更に南進して黒潮を
乗切ると、もう人間の力は幽霊と妖気に降服してしまっていた。大洋と濃緑の山と草木の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
浜はいいが、浜となってみると、それからは海で、そこで陸地が尽きるのだ。安達ヶ原を
乗切るのはいいが、乗りきって海へ出てしまったんではなんにもなるまいではないか。そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
き舟では物の役に立つまい、諸大名はじめ、加賀や大阪の豪商が、大船浮べて思うままに
乗切るにきまっている、そうすると、従来の舟で湖上の交通をして一家を経営していた運....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
切国産を以て創造して、その船を全然、日本人の力でもって欧羅巴《ヨーロッパ》までも
乗切ることはできないか。駒井はこれをやりたかったのです。もし、駒井の在官当時にこ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
文治も手伝って船を漕ぎますが、どうも手ごしらえの櫂といえば櫂、棒同然な物で大海を
乗切るのでありますから、虫の匍うより遅く、そうかと思うと風の為に追返されますので....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
「それで御座いますよ。その松五郎も運の尽きで、二百十日の夜に浦賀の船番所の前を
乗切る時、莨の火を見られて、船が通ると感附かれて、木更津沖で追詰められて、到頭子....