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「乗合船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乗合船の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
はやはり小学時代に貝原益軒《かいばらえきけん》の逸事を学んだ。益軒は嘗《かつ》て乗合船の中に一人の書生と一しょになった。書生は才力に誇っていたと見え、滔々《とう....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の生えた、大な足を突出すやら……など、浄瑠璃にもあって、のう、昔、この登り下りの乗合船では女子衆が怪しからず迷惑をしたものじゃが、電車の中でも遣りますか、のう、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
を細かく引き裂いて、四方八方へ一度に吹き散らしたという形であった。 「松島行きの乗合船は今出ます。」と、頻りに呼んでいる男がある。呼ばれて値を付けている人も大勢....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たずねていたところの、りんこの渡しというのが、果していずれのところにあって、その乗合船の出発の時間がいつであるかということの観念はないらしいが、とにかく船着だか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
太郎を買込みに行く時に乗込んで、大難に遭《あ》ったのとおなじ航路で、おなじ性質の乗合船。 なるべく人目に立たないように、駒井は帆柱のうしろ、荷物の隅に隠れてい....
南国太平記」より 著者:直木三十五
をしたり、身体を半分に折って、隣りの人とくっつき合って寝たりしていたが、初めての乗合船で、人々の中で――それから、明日の役目を思うと、眠れなかった。乗合衆は、い....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
「どう思うといいますと」 「歌舞伎の所作事《しょさごと》の物売と言えば、まず、乗合船の『白酒売《しろざけうり》』。法界坊の『荵売《しのぶうり》』。それから団扇....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
些とばかりおとなしくなったが、気の暴えのは性質だから止まねえのよ、今日|高輪から乗合船で客を送り、深川へ上げて佐賀町の友達の処で用を達し、仙台河岸へ船をもやって....