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乗替え
「乗替え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗替えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
安易に弛《ゆる》んだ彼女は、汽車のなかでそうも考えた。
百十三
途中汽車を
乗替えたり、電車に乗ったりして、お島はその日の昼少し過ぎに、遠い山のなかの或温泉....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
だ、是も駅夫に聞いて見ると、駅夫は今の売物で非常に機嫌が好く為って居るので、其の
乗替えの汽車が通過する駅々を、指を折りつつ読み上る様に話して呉れた。外の名前は耳....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の中に、ぎゅうぎゅうつめられる。能率がわるい。ひどく押される。三軒茶屋で降りて、
乗替えを待つ。 電車はなかなか来ず。そのうちB29の爆音が近づいて来る。「そら....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
た。 プラットホームに降りて電車を待つ間も、電車に乗り込んでからも、代々木駅で
乗替えの間も、怪しい男は絶えず静子と適当の間隔を保ちながら、鋭く彼女を観察してい....
「家」より 著者:島崎藤村
りまでしか乗せないので、遠く行こうとする旅人は其処で一つ山を越えて、更に他の車へ
乗替えなければ成らなかった。 「直樹さんと来た時は沓掛から歩きましたが、途中で虻....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
るという歌のまま、研かれ出づる秋の夜の月となるであろうと、その気で篠ノ井で汽車を
乗替えた。が、日の短い頃であるから、五時そこそこというのにもうとっぷりと日が暮れ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
だ? どこへ。」 「お馴染様でございまさあね。」 「馬鹿にするない、見附で外濠へ
乗替えようというのを、ぐっすり寐込んでいて、真直ぐに運ばれてよ、閻魔だ、と怒鳴ら....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
、是から関宿へ着きますと荷物が這入るので余程手間がかゝり、堺へ参りますと此処にて
乗替え、栗橋へ参り、旭が昇って川に映り、よい景色でございます。栗橋から上州の川俣....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のほどもわからない。米友公を捨て、悍馬《かんば》の女将軍女軽業興行師のパリパリに
乗替えたが、こいつが意外に道草を食いはじめて、自分よりは藤原の伊太夫なにがしとい....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
中で落合ってはッ直さまお供という様な訳ですから、此処で旦那にお目に懸れば直に馬の
乗替えお客の
乗替えてえ奴で、実に此処でお目に懸るたア有難えね、もし今もね兼ちゃん....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
って映って行く。加奈子にぶつかる男もある。気がつくと坂の下の交叉点で電車を降りて
乗替えずにそのまま歩いて坂を上って来る人が沢山増した。午後四時過ぎ、東京という人....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
いだろうがね、あの洲崎で君が天水桶へ踏みこんで濡鼠になった晩さ、……途中水道橋で
乗替えの時だよ、僕はあそこの停留場のとこで君の肩につかまって、ほんとにおいおい声....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
もかかわらず、彼は睡むることができなかった。 翌朝彼は本線から私線の軽便鉄道に
乗替えて、秋田のある鉱山町で商売をしている弟の惣治を訪ねた。そして四五日|逗留し....
「咸臨丸その他」より 著者:服部之総
フランシスコに二週間ばかり逗留《とうりゅう》して、そこで太平洋汽船会社の別の船に
乗替えてパナマに行って蒸汽車に乗てあの地峡を踰《こ》えて向側に出てまた船に乗《の....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
汽船との連絡の待合室で顔を洗い、そこの畳を敷いた部屋にはいって朝の弁当をたべた。
乗替えの奥羽線の出るのは九時だった。 「それではいよいよ第一公式で繰りだしますか....