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「乗車券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乗車券の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
指と指環」より 著者:佐左木俊郎
揃えた指、乗合自動車の吊り革を掴《つか》む女達の指。市内電車の中で手持ち無沙汰に乗車券を弄《もてあそ》ぶ女達の指。百貨店の女店員達の忙しく動いている指。赤黒い指....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
寺 △四谷三丁目→浜松町 △新宿→荻窪 ◯列車乗車制限(軍公務、緊急要務者以外は乗車券を発売せず) ◯東海道線=東京→小田原 ◯中央線=東京→大月 ◯東北線=東....
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
た。随って、順一は食糧も、高子のところへ運ばねばならなかった。五日市町までの定期乗車券も手に入れたし、米はこと欠かないだけ、絶えず流れ込んで来る。……風呂掃除が....
新婦人協会の請願運動」より 著者:与謝野晶子
観には高等官の資格証明書、病院へ行くには診療券、汽車、電車、乗合自動車に乗るには乗車券、買物には廉売券、そうして結婚には花柳病の診断書、こうまで事ごとにせちがら....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ゆくとき乗った頃には、まだ地下フォームも明るかったのに、今は暗く、車内もくらく、乗車券にペンチを入れず、映画館の入口でモギリの女がやっていた通り、あいまいな顔つ....
沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
の上に寝そべってる者もありました。その片端に、八重子は腰を下しました。――一枚の乗車券を手に入れるために、徹夜して長い行列をつくる、そういう時代だったのでありま....
発明小僧」より 著者:海野十三
ある。およそ人間というものは、しつけの悪いもので、電車に乗って金と引換えに切符や乗車券を渡して置くと、「折らないで下さい」と再三注意を与えて置くにも係らず、下車....
深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
の不慮の出来事に就いて自分はまったくなんにも知らないと吶りながらに釈明した。 「乗車券をみせて下さい。」と、車掌は奪うように彼の手から切符を受取って見た。「Kの....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
その日から私は千代子のあでやかな姿を見た。千代子はほかに五六人の連れと同伴に定期乗車券を利用して、高田村の「窮行女学院」に通っているので、私は朝夕、プラットホー....
樹氷」より 著者:三好十郎
を欠く。「ガアガアガア……次の信越線列車は九時三十分に発車の予定でございますが、乗車券をお持ちの方は改札口左手の方に行列……(不明瞭)……乗車券をお買求めの方は....
それから」より 著者:夏目漱石
開けたら、三千代に遣った旅行費の余りが、三折の深底の方にまだ這入っていた。代助は乗車券を買った後で、札《さつ》の数を調べてみた。 彼はその晩を赤坂のある待合で....