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乗込む
「乗込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乗込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白妖」より 著者:大阪圭吉
よ」 云い捨てるように警部補は自動車に乗り込んだ。そのあとから、唖然たる一行が
乗込む。自動車はバックして、箱根口へ向って走り出した。時速十|哩の徐行だ。 け....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
して釧路丸をつかませても、鯨の祟りが判るかどうかはアテにならんよ。俺も、監視船に
乗込むんだから、この仕事には、大いに張合があるわけさ……そうだ、もうそろそろ、乗....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
本当の支那人でそんな馬鹿な名をつける奴はないからね。」 この友人は、近く広東へ
乗込む孫逸仙一行の先発隊として、あしたの朝上海を出発するのだった。したがって、も....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
の頃は本家から、女中料理人を引率して新宿|停車場前の池田屋という飲食店が夫婦づれ
乗込むので、独身の便ないお幾婆さんは、その縁続きのものとか、留守番を兼ねて後生の....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
暮れるまでこんな所にぼんやりしている訳にもいかないので、汗をふきながら乗合馬車に
乗込むと、定員八人という車台のなかに僕をあわせて乗客はわずかに三人、ふだんから乗....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
そんなことをいろいろ考えながら、わたしは横田君らと共に、休憩所の前から自動車に
乗込むと、天候はいよいよ不穏になって、どうでも一度は暴れそうな空の色が、わたしの暗い心をおびやかした。....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
、車掌も調子に乗ったように説明した。「その蛇を持って来る人は、いつでもKの駅から
乗込むのです。そうして、Fの駅へ近づいた時に発見されるのです。きょうもきっとそう....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
い筈である。あるいは母を殺して千生に家督を相続させ、自分も千鳥のおかみさんとして
乗込むつもりであったろうという。その方がやや当っているらしいが、それにしても母を....
「停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
乗ろうとして又にわかに躊躇しました。まっすぐに東京へ帰ると決心していながら、いざ
乗込むという場合になると、不思議に継子さんのことがひどく不安になって来ましたので....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
訳がわからない。かりに団十郎が五万円取ったとしても、市川団十郎として初めて大阪へ
乗込む以上、芝居道の習慣として諸方へ配る土産その他の散銭はおびただしいものだ。大....
「春の修善寺」より 著者:岡本綺堂
に働いた。そうして、いくらかの金を作った。彼はその金をふところにして彼の愛鷹丸に
乗込むと、駿河の海は怒って暴れて、かれを乗せた愛鷹丸はヨナを乗せた船のように、ゆ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
千両を水戸様へ献上して葵の時服を拝領してからの或時、この御紋服を着て馬上で町内へ
乗込むと偶然町名主に邂逅した。その頃はマダ葵の御紋の御威光が素晴らしい時だったか....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
芝雀の父子、大阪より上京して、春木座に出勤。 ○二月、左団次一座、大阪の浪花座へ
乗込む。 ○三月、菊五郎一座、大阪の角座へ
乗込む。 ○四月、浅草猿屋町に沢村座の....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
」ときっぱり云ったが、その顔は青褪めていた。 「ああそうですか。貴方が安全に船に
乗込むまで、警察の方で保護します。赤星君、万事君に任せる、無事に出発させて上げろ....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
う訳で、――就いては君に案内役を引受けてもらいたいんだよ。真向から部下を引連れて
乗込むのは容易い事だが、僕はそれを好まないんだ。というのは父親の辰馬増之助氏は人....