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乙女心
「乙女心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乙女心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
、運悪くも教師に見つけられた。教師はしきりにその用途を問いただしたが、恥じやすい
乙女心《おとめごころ》にどうしてこの夢よりもはかない目論見《もくろみ》を白状する....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
になったという噂さも、父から勘当を受けて乞食の群に加わったという風聞も、クララの
乙女心を不思議に強く打って響いた。フランシスの事になるとシッフィ家の人々は父から....
「蠅男」より 著者:海野十三
ないような乙女をして、こうも勇敢に立ち向わせたものは何か。それは云うまでもなく、
乙女心の一筋に彼女の胸に秘められたる愛の如何に熾烈なるかを物語る以外の何ものでも....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
でも、自分で作るとなると、なかなか骨の折れるものなのではあるまいか。 乱れ咲く
乙女心の野菊かな、なんてのは少しへんだが、それでも、けしからぬと怒るほどの下手さ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
中に加世子がいるような気がして、わざと顔を背向けたりするのだった。加世子が純白な
乙女心に父を憎んでいるということも解っていた。そしてそれがまた一方銀子にとって、....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
相当の効果を見せてはいるようである。 (昭和十年五月、映画評論) 十五
乙女心三人姉妹 川端康成の原著は読んだことはないが、この映画の話の筋はきわめて....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
開の姫百合を手折り、小娘のように頭髪に挿したりしました。 私がそうした無邪気な
乙女心に戻っている最中でした、不図附近に人の気配がするのに気がついて、愕いて振り....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
を忘れた気持になれるなんて、フシギなものだ、と記代子は思った。覇気のない古い都。
乙女心には、灰色の街のように魅力のない土地であったが、今はただ生き生きと明るい。....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
白足袋や帯のかたさにこゞみはく みどり 病み心地の母により添い林檎をむく
乙女心或は春着の褄をとり、或は水鏡し、金繍の帯のかたさにこごみつつ足袋をはく姿。....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
れた。「なんとも返辞をしないのは、俺を嫌っているからであろうか? それとも初心の
乙女心から、恥じらい切っているからであろうか?」これが左内には疑問であった。「も....
「書記官」より 著者:川上眉山
て、渋々我意に従わせて、そして一しょに帰らんとの、所思の張合いを抜かされたるが、
乙女心の気に入らず、初めよりして構いつけられぬが、なお気に入らず進み寄りて、父様....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
待つがよい。その時節は、遠いことではあるまいとわしは思うね」 「ですが、わたしの
乙女心をお察しください」 「
乙女心か、あっははは――ところでね、賢彌君の曾祖父さ....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ぬことにしよう。(女子再び機を織る。以前よりは悲しき声にて歌う) 白糸の清ければ
乙女心よ、 やがて染む緋や紫や あるは又罪の恐れの 暗に似てか黒き色の 罪の黒糸....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
に去りました。十七の時に無理に結婚させられて、二、三日でのがれて帰り、その時から
乙女心を失ってしまったこの女の半生を思って、そして彼女の懐からはなさぬ慈悲の仏の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
題であった。スッキリ、島村の懐に飛び込んでしまえばすべての問題は解決するのだが、
乙女心の純潔を思うた彼女は、乱暴なことをする勇気もなくただ悶えた。 しかし、母....