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「乙種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乙種の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西湖の屍人」より 著者:海野十三
、東京中をとびまわるのに夢中だった。彼は遂に一台の高級クーペを買いこむと、簡単に乙種運転手の免状をとり、その翌日からは、東京市内は勿論のこと、横浜の本牧海岸、さ....
伸子」より 著者:宮本百合子
ぶりで彼と数日田舎で暮せるのがよろこびであった。和一郎は、近年肋膜を患ったので、乙種か、丙種かもしれなかった。それ故この滞在は、なお心軽やかであった。祖母の箪笥....
父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
五月蠅がられたので、母等と共に上京して鎌倉に居住し、麻布聯隊区に籍を移し、たしか乙種で不合格となったのを志願して無理にパスした。身長五尺五寸六分、体量十三|貫に....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
なら消し炭を食ってもきくわけだ、とざっとこういうふうに簡単に結論を下してしまう。乙種の科学者は、そう簡単にも片付けてしまわない。しかし、問題がまだアカデミックな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。 甲種―胆吹王国の主義理想に共鳴して、これと終始を共にせんとする真剣の同志乙種―現在は、まだ充分の理解者とは言い難いが、やがてその可能性ある、いわば準同志....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
瘠《や》せこけて体量十一貫位であったが、検査の結果は皮膚脆弱というようなことで、乙種の不合格であったと覚えている、然《しか》し戦争が長びけばどうなるか知れないと....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
する所となった。そうして宮内省からの需めにかかるものを甲種とよび、その他の事蹟を乙種とよんで、共に材料を集める事になったが、残念な事にはかつてもいった如く廃藩の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
アそんなものです。そこから基礎控除を五百円とりのぞくのです、私のような自由職業は乙種事業というの。それでもまだ納税最低の五百円よりはすこし多いから、いくらか払う....
傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
が、互の頭にはっきりと映った。――杉本は学校を卒業した時、在学中の徴兵検査で第一乙種合格のため、兵役についての境界線に立っていたので、何等かの便宜を望んで、有吉....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
当時の東京商業学校というは本と商法講習所と称し、主として商家の子弟を収容した今の乙種商業学校程度の頗る低級な学校だったから、士族|気質のマダ失せない大多数の語学....
破れわらじ」より 著者:三好十郎
、そうしちゃなんでも途中でおっぽり出す。……そいでウロウロしているうちに戦争だ。乙種だったんで召集を受けてね。いやいや戦争したんじゃねえ、つまらねえ二年の上も、....