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「九仞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

九仞の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
慄然《りつぜん》と云う感じに打たれなければやまなかった。その恐ろしさに比例して、九仞《きゅうじん》に失った命を一簣《いっき》に取り留める嬉《うれ》しさはまた特別....
一夜」より 著者:夏目漱石
しい」と拇指《おやゆび》で向脛《むこうずね》へ力穴《ちからあな》をあけて見る。「九仞《きゅうじん》の上に一簣《いっき》を加える。加えぬと足らぬ、加えると危《あや....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのを見ました。 しかも直下する途中で提灯の体へ火がついたから、一団の火の玉が九仞《きゅうじん》の底に落つるような光景を、兵馬はめざましく見物しました。おそら....
南国太平記」より 著者:直木三十五
羅は、斉興が、なぜ、持仏の間へ来るか、よく判っていた。 (もう、一押ししないと、九仞《きゅうじん》の功を、何んとかに欠くということになる) お由羅は、自分の褥....
霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
れど袋が土に汚れ岩に破らるるとも珠玉は依然として輝く、この光が尊いのである。珠を九仞の深きに投げ棄ててもただ皮相の袋の安き地にあらん事を願う衆人の心は無智のきわ....
三国志」より 著者:吉川英治
末やらん、と霊帝崩御の由を知るとともに、人々みな色を失って、呆然、足もとの大地が九仞の底へめりこむような顔をしたのも、あながち、平常の心がけなき者とばかり嗤えも....