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九分九厘
「九分九厘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
九分九厘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
き》にゃ、余計世の中が退屈になると云う事も知っているんだ。しかも僕は、その時に、
九分九厘まではあの女が嫉妬を焼く事を知っていたんだぜ。それでいて、手紙を書いたん....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、三等待合の入口を、叱られぬだけに塞いで、樹下石上の身の構え、電燈の花見る面色、
九分九厘に飲酒たり矣。 あれでは、我慢が仕切れまい、真砂町の井筒の許で、青葉落....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
だということも考えられる。なんにしても、四ツ木鶴吉の殺害は、動坂三郎の推察どおり
九分九厘までは事実と見るより外ない。 四ツ木を殺った者が、「深夜の市長」だった....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
証拠を持っていると言うんだ。――成る程あの親爺は、確かに先夜君に追われた犯人に、
九分九厘違いない。がしかし、いま捕えるよりも、もう二、三日待って今度の土曜日の真....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
かくルキーンはもう犯人の圏内にはない。すると熊城君、こうして今まで掴んだ材料には
九分九厘まで説明がついたのだから、解決の鍵は残された一つに隠されていると云って差....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
の真中へ重を着けて沈めたんさ。犯人の頭脳のレベルは決して高いものではないね。まあ
九分九厘知識階級の人間でない事は確かだ。だが、推理を起すに当っては、やはり充分な....
「八幡太郎」より 著者:楠山正雄
にいつも義家が、不思議な智恵と勇気と、それから神様のような弓矢の技で敵を退けて、
九分九厘まで負け戦にきまったものを、もり返して味方の勝利にしました。 それで戦....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
えなかったのが心残りとはいえる」 下座触制止堂々と、行列は先へ進んで行く。 「
九分九厘成就と思っていたが、何んだかあぶなっかしくなって来た。弱気というやつだな....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
安そうに、「いかがでござろう熟みましょうかな?」声は不安に充ちている。 「いや、
九分九厘……大丈夫でござる」 「それはそれは有難いことで」 いうと一緒に手を延....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
どく済まないような顔をしてコソコソと二階へ上って行く。 「医者のあの口振りじゃ、
九分九厘むつかしそうなんだが……全くそんなんだろうか」と情なさそうに独言ちて、お....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
或るものは予言の書といってよい。 そうして、文学に於て予言されたことは、後年、
九分九厘迄具体化されている。 では、ウエルスの予言小説『火星人の来襲』の中に書....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
、怪しい……?」 「しかし、まア、女というものや学生というものは、理想家ですね。
九分九厘まで行って、ギリギリの一点を残して、あとは大いに享楽して、それでプラトニ....
「伝不習乎」より 著者:北大路魯山人
評する力がないのである。しかし、こうしたことは昔でもその通りであったかも知れぬ。
九分九厘までは低級卑俗なもので占められていたかも知れぬ。 だが年代の進むに従っ....
「料理メモ」より 著者:北大路魯山人
こと。 *はらわたをぬかないはらもちにかぎる。東京に来るのははらわたをぬいたもの
九分九厘。買うときにこのことを留意すること。 *活あゆの刺身は洗い作りの王、一尾....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
三人三分の一についてみますと、煤煙のために受ける損害日数は十一万九千九百九十九日
九分九厘であります。一日の日給を三円と致しますと、三十五万九千九百九十九円九十九....