九品[語句情報] » 九品

「九品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

九品の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
れるほど涼しい陰が、都会近くにあることをかの女に知らした。 二人はある時奥沢の九品仏の庭に立った。 「この銀杏が秋になると黄鼈甲いろにどんより透き通って、空と....
十二支考」より 著者:南方熊楠
』には太刀、鎧、旗、幕、巻絹、鍋、俵、庖刀、鐘と心得童子《こころえのどうじ》、計九品と一人、太刀の名|遅来矢《ちくし》と出《い》づ。寛永十年頃筆せられた『氏郷記....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
頃はまた落込みようが深くって、しばらく行方が知れなかった。ほども遠い、……奥沢の九品仏へ、廓の講中がおまいりをしたのが、あの辺の露店の、ぼろ市で、着たのはくたび....
金色の秋の暮」より 著者:宮本百合子
などの合評を読んだら、フム、と感じるところもあった。 Sさんが帰ると、Y、急に九品仏に行こうといい出した。(三時半頃)この間N氏が家族づれで行ってなかなか道の....
是は現実的な感想」より 著者:宮本百合子
をこのように、落ちる木の葉の色、雨の音にまで沁々知ったのは初めての経験であった。九品仏《くほんぶつ》その他、駒沢からこの辺にかけて、散歩するに気持よいところが沢....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とせ経てけふ立ちそむる佐渡島を いつきて見るやのりのともし火 という一首を、九品仏《くほんぶつ》の堂上の額に題して去った。 東海、東山、西国三十三番、大阪....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
や秋の雨 初潮を汲む青楼の釣瓶かな 山の井や我顔うつる秋の水 提灯で見るや夜寒の九品仏 山越や馬も夜寒の胴ぶるひ 堂島や二百十日の辻の人 我が描きし絵に泣く人や....
源氏物語」より 著者:紫式部
まわれたから残念です。長生きをして私の出世する時を見てください。そのあとで死ねば九品蓮台《くぼんれんだい》の最上位にだって生まれることができるでしょう。この世に....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
って、みなその願いのままに極楽へ引き取って下さるというのである。なおその極楽には九品の階級があって、たとい五逆十悪の如き諸の不善の業を具している程のものでも、死....