九字を切る[語句情報] » 九字を切る

「九字を切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

九字を切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
つぐるりと振って、交る交るに緩く舞う。舞果てると鼻の尖に指を立てて臨兵闘者云々と九字を切る。一体、悪魔を払う趣意だと云うが、どうやら夜陰のこの業体は、魑魅魍魎の....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
一 誠に差出がましく恐入りますが、しばらく御清聴を煩わしまする。 八宗の中にも真言宗には、秘密の法だの、九字を切るだのと申しまして、不思議なことをするのでありますが、もっともこの宗門の....
オランウータン」より 著者:豊島与志雄
歩も、其他凡て、その時の私の心に添わない。しいて求むれば、臨兵闘者皆陣裂在前……九字を切るくらいのものだ。だがその気持は、護身のためではなく、積極的な呪咀の秘法....
私の小説」より 著者:坂口安吾
が正当な評価だらうと考へてゐるのだ。猪八戒はヘタくそな忍術を使ふ。デレンデレンと九字を切ると、本人は見事に化けてゐるつもりだけれども、身体だけ美人に化けて、顔は....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の金の鍔にあるという俗説も行われていたようだ。 思うに、日本の忍術使いが真言の九字を切るということは後世の空想的な産物で、その原型は、むしろ切支丹が胸にきる十....