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九段
「九段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
九段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ばかりごみごみ並んだ二十年前の神保町通りを、その古本屋の屋根の上に日の光を受けた
九段坂の斜面を。勿論当時の神保町通りは電車も馬車も通じなかった。彼は――十二歳の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、それに私見たようなものには逢って下さらないでしょうと思って、学校の帰りに幾度も
九段まで来て止したの。 それでも、あの、築地から来るお友達に、この辺の事を聞い....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
でいる方へ近づこうと、風下である危険を侵し、避難の市民群とは反対に、神保町から、
九段を目がけて、駈け出していった。 だが、神保町を、駈けぬけきらぬうちに、弦三....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
らない。 ◯三月十日に焼けた区域は随分広いらしい。 わかっているものだけでも、
九段上、番町界隈、銀座一丁目より築地ヘ。新橋駅より新橋演舞場の方へかけて、白金台....
「河明り」より 著者:岡本かの子
川の苦労の跡を調べることも哀れ深いが、もとこの神田川は麹町台の崖下に沿って流れ、
九段下から丸の内に入って日本橋川に通じ、芝浦の海に口を開いていた。この江戸築城以....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
町の方から廻ってゆく道がないでもないが、それでは非常の迂廻であるから、どうしても
九段下から三崎町の原をよぎって水道橋へ出ることになる。 その原は前にいう通りの....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ーロッパじゅうを歩き廻っているのだ。 僕は前に浅草と言ったが、それよりもむしろ
九段の祭りと言う方が適当かも知れない。もっとも僕はもう十年あまりも、あるいはそれ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
賀の港について五日目のことだった。 ここで話は一日前にさかのぼる。場所は、東京
九段の戦勝展覧会場の中であった。朝早くから、会場の門はひらかれていた。お昼からは....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
しく革鞄の口に手を掛けた。 私はドキリとして、おかしく時めくように胸が躍った。
九段第一、否、皇国一の見世物小屋へ入った、その過般の時のように。 しかし、細目....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
一 麹町
九段――中坂は、武蔵鐙、江戸砂子、惣鹿子等によれば、いや、そんな事はどうでもいい....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
岡蓮杖さんが、やはり寺内で函館戦争、台湾戦争の絵をかいて見せました。これは今でも
九段の遊就館にあります。この他、浅草で始めて電気の見世物をかけたのは広瀬じゅこく....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
算すると五段目のとおり三桁であるのに、万位の計算である三段目も、一位の計算である
九段目も、共に四桁の数字である。であるからして、どっちも7より大きい8乃至9であ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
…この土地の人は、土地流の、土地能の、土地節の、土地謡の方が大した自慢でね、時々
九段や、猿楽町……震災で焼けたけれど、本舞台へ来て見物したって、ふん、雁鴨の不忍....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
この近辺には喰うような家がないといって容易に承知しない。それから馬場を通り抜け、
九段を下りて神保町をブラブラし、時刻は最う八時を過ぎて腹の虫がグウグウ鳴って来た....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
も目に着くので沼南の顔も自然に知られ、沼南夫人と解って益々夫人の艶名が騒がれた。
九段の坂下の近角常観の説教所は本とは藤本というこの辺での落語席であった。或る晩、....