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「九牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

九牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
は、あの入江の家庭の姿を、写したものだ。一毛《いちもう》に於いて差異はあっても、九牛《きゅうぎゅう》に於いては、リアルであるというわけなのだ。もっとも私は、あの....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
と問うに、熊楠らは実際全くこれに反せる悪結果のみを睹《み》るなり。 よってその九牛の一毛を例示せんに、西牟婁郡川添村は、十|大字《おおあざ》、九村社、五無格社....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
、彼等学生が、下宿屋や又は預けられ先を出る時に、学校の制帽を冠って出るものは殆ど九牛が一毛と云ってもいい位である。学校に行く時も、散歩に行く時も通じてそうなので....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
の棟木のように一つに固まって真黒に焼けて了った。世界の大美術書の総数に比べたなら九牛の一毛どころか百牛の一毛にも当るまいが、シカモ世界の文献に乏しい日本では此の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
祖以来、公儀の眼を掠《かす》めて貯えた金銀が唸《うな》るほどあるくせに、三千両は九牛《きゅうぎゅう》の一毛《いちもう》。のう御同役、遠いところへ隠してあるならば....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ですね、我々の粉本の中に納められているものは……何種あったか、ちょっと忘れたが、九牛の一毛だ」 その時、夜の外の窓口に、あわただしい人声があって、 「番所の先....
雪の宿り」より 著者:神西清
が心を叱る。京の滅びなど此の眼で見て来たことは、恐らくはこの度の大転変の現われの九牛の一毛にしか過ぎまい。兵乱はようやく京を離れて、分国諸領に波及しようとする兆....
食べもの」より 著者:佐藤垢石
たいことだ。 だからといって、私の百坪前後の野菜を根こそぎ舁ぎだしたところで、九牛の一毛にも値せぬ。さらに多くの野菜を都会人に食べさせたいと思えば、もっともっ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
に余りに内気であった、余りに謙遜であった、かつ余りに潔癖であった。切めて山本伯の九牛一毛なりとも功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し鉄面....