九谷焼[語句情報] »
九谷焼
「九谷焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
九谷焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もう心得たように、すぐと運ばれたものは切り下げ髪なのに毎晩用いでもしているか、古
九谷焼きの一式そろった酒の道具です。それから、台の物は、幕の内なぞというようなや....
「行人」より 著者:夏目漱石
に膳《ぜん》を運ばせながらまた座敷へ顔を出した。膳の端《はし》には古そうに見える
九谷焼の猪口《ちょく》が載せてあった。
それでも三沢といっしょに出たのは思った....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
行|九津見吉左衞門を初め九里平馬、戸村九右衞門、秋元九兵衞其の他御城下に加賀から
九谷焼を開店した九谷正助、菊橋九郎左衞門、年寄役村方で九の字の附いた人を合せて十....
「午市」より 著者:宮本百合子
る。柱よりにくつろいで坐ったおせいの前にも、夫やこの家の主人の前にあると同様な、
九谷焼の小盃が置かれていた。八分めにつがれた酒の色は、黒っぽい猪口のなかで、微に....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
したその姿に実は惚れたまでのことである。ただそれ惚れたまでのことである。もしそれ
九谷焼の大瓶に仰山らしく活け込んで、コケおどかしをしようなぞの了見に至ってはさら....
「丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
して西洋向きの日本書を並べたのがある。あれを見ると自分はいつでもドイツで模造した
九谷焼きを思い出す。 自分の専門に関係した科学の書籍をあさって歩く時の心持ちは....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
で、砲を預かっていた。 「これでやるか、――」 と長谷部大尉は、バスケットから
九谷焼の小さい湯呑と、オランダで土産に買った硝子のコップとをとりだす。 「ええ肴....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
は反対の方に――そぞろ歩行でぶらりと出て、温泉の廓を一巡り、店さきのきらびやかな
九谷焼、奥深く彩った漆器店。両側の商店が、やがて片側になって、媚かしい、紅がら格....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
の方言茶の室と呼べり。その茶の間の一方に長火鉢を据えて、背に竹細工の茶棚を控え、
九谷焼、赤絵の茶碗、吸子など、体裁よく置きならべつ。うつむけにしたる二個の湯呑は....
「異郷」より 著者:寺田寅彦
な絵草紙である。天井の隅には拡げた日傘が吊してある。棚や煖炉の上には粗製の漆器や
九谷焼などが並べてある。中にはドイツ製の九谷まがいも交じっているようであった。 ....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
枚、隅っこに破片を残したまま、飛び散っていて、後で分ったのだが、その外の庭石に、
九谷焼の銚子が砕けていた。 父の激怒の乱暴な発作は、嘗てないことで、全く予想外....
「復活祭」より 著者:久生十蘭
、マントルピースの上の壁に石版刷の応挙の鷹の絵がかかり、輸出物のあくどい色をした
九谷焼の花瓶があり、薄端《うすばた》へ※けた馬蘭に埃が白くたまっていたのがはっき....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
う者に車をひかせて、商売用の大切な品を入れた鎧櫃《よろいびつ》と、お得意へ届ける
九谷焼きの花瓶とを持たして出した。 花瓶は妻恋坂の旗下《はたもと》饗庭様のお邸....
「九谷焼」より 著者:中谷宇吉郎
震災で失ったものの中で、この頃になって、惜しいと思い出したものは
九谷焼である。父が心懸《こころが》けて集めたもので、古い時代のいわゆる古九谷《こ....
「明石鯛に優る朝鮮の鯛」より 著者:北大路魯山人
たいについての思い出のひとつに、かつて北陸の山代や山中の温泉から金沢地方にかけて
九谷焼き研究のため、久しく滞在していたころのことである。元来、北陸というところは....