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乞
「乞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
ザア》だぜ。」と云おうとした。
するとその時、
「あいつかい。あいつはロンドン
乞食《こじき》さ。」
こう云う能勢の声がした。皆が一時にふき出したのは、云うま....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
「あれですね?」
「うん、………俺たちの来た時もあすこにいたかしら。」
「さあ、
乞食《こじき》ばかりいたように思いますがね。……あの女はこの先どうするでしょう?....
「母」より 著者:芥川竜之介
たなり、西か東かへ去ったであろう。その水の見える波止場《はとば》には、裸も同様な
乞食《こじき》が一人、西瓜《すいか》の皮を噛《か》じっている。そこにはまた仔豚《....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ろ》からそっと覗《のぞ》きこんで見ますと、思いもよらずその真中《まんなか》には、
乞食《こつじき》のような姿をした沙門が、何か頻《しきり》にしゃべりながら、見慣れ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
くらたまっても平気だった。けれども粟野さんに借りた金を二週間以上返さずにいるのは
乞食《こじき》になるよりも不愉快である。……
十分ばかり逡巡《しゅんじゅん》し....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
間、吉助の消息は杳《よう》として誰も知るものがなかった。
が、その後《ご》彼は
乞食《こじき》のような姿になって、再び浦上村《うらかみむら》へ帰って来た。そうし....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》が略《ほぼ》わかった事は、一言《ひとこと》も甚太夫には話さなかった。甚太夫は袖
乞《そでご》いに出る合い間を見ては、求馬の看病にも心を尽した。ところがある日|葺....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
れえ! (消え失せる)
四
数十年|後《ご》、老いたる女|
乞食《こじき》二人、枯芒《かれすすき》の原に話している。一人は小野の小町、他の一....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
《あいさつ》した。が、含芳の立ちかかるのを見ると、殆《ほとん》ど憐《あわれ》みを
乞うように何か笑ったりしゃべったりした。のみならずしまいには片手を挙げ、正面の僕....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
はこう云う言葉の間《ま》も、じっと神父を見守っている。その眼には憐《あわれ》みを
乞う色もなければ、気づかわしさに堪えぬけはいもない。ただほとんど頑《かたく》なに....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
は不十分である。だから蟹の弁護に立った、雄弁の名の高い某弁護士も、裁判官の同情を
乞うよりほかに、策の出づるところを知らなかったらしい。その弁護士は気の毒そうに、....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
服《どうふく》を着て、鳥が巣をくいそうな頭をした、見苦しい老人である。(ははあ、
乞丐《こじき》をして歩く道士だな――李はこう思った。)瘠せた膝を、両腕で抱くよう....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
あご》でしゃくって He is a beggar とかなんとか言った。
「へえ、
乞食《こじき》かね」
「
乞食さ。毎日、波止場をうろついているらしい。己はここへよ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の如き出京の志し弱き手綱に繋ぐべきにあらず。十七の春なりし。心を決して父と伯父に
乞いもし許されずは出奔せん覚悟を様子にそれと悟りてか、左まで思わば出京せよと許可....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
には興味無之ものに御座候。以上。 エム、ファラデー 時々は手紙で質問し、返事を
乞うた人もある。この中で面白いのは、ある囚人のよこした手紙である。 「貴下のなさ....