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乱発
「乱発〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乱発の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
島の燈台では、乱暴にも自分を目がけて勇敢に突進して来る船を認めたので、危険信号を
乱発したのだった。幸いにして、この無法者は、間ぎわになってその乱暴を思い止《とど....
「ウォーソン夫人の黒猫」より 著者:萩原朔太郎
って考えた。そして憎悪の激情《パッション》に逆上しながら、自暴自棄になって拳銃を
乱発した。三発! 四発! 五発! 六発! そして最後の弾《たま》が尽きた時に、彼....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
。二度目の殺人など、洗面場で手を洗ってその手をふくハンケチの中からピストルの弾を
乱発させるという卑怯千万な行為であるにかかわらず、観客の頭にはあらかじめ被殺害者....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことは江戸にはない。ところが、お角さんは土方歳三に向って、遠慮なく「どん」称号を
乱発しているし、御当人の土方そのものが、また、この「どん」称号を甘受して、あえて....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ど五三事件の記念日とかで、城内には朝から不穏の気あり。果して共産党の小暴動随処に
乱発。散策、買物の後、南京路で精進料理を試み、自余の時間は、街上に船中に、ひたす....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
家財道具まで運び去り家族も疎開させたそうだ。こうしておいて五月ごろから不渡手形を
乱発しておいて夏の終りに当人も行方をくらましたのである。 不渡手形をつかまされ....
「妾宅」より 著者:永井荷風
殺すべき片言隻語《へんげんせきご》は、かえって自在に有力に、この忙しい手芸の間に
乱発されやすいのである。先生は芝居の桟敷《さじき》にいる最中といえども、女が折々....