乱脈[語句情報] »
乱脈
「乱脈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乱脈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
んだ。そうしてまたその前の前を読んだ。
しかし読むに従って拙劣な布置《ふち》と
乱脈な文章とは、次第に眼の前に展開して来る。そこには何らの映像をも与えない叙景が....
「或る女」より 著者:有島武郎
まんじりとながめていた。
一時間ほどの後には葉子はしかしたった今ひき起こされた
乱脈騒ぎをけろりと忘れたもののように快活で無邪気になっていた。そして二人《ふたり....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る。そのほかに写真屋の島田と関係する。外国人のハリソンにもお膳を据える。いやもう
乱脈でお話になりません。国蔵は小博奕《こばくち》なぞを打つ奴で、甚八もおなじ仲間....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いうので吉原へ昼遊びに行っている。その留守中に奥様は家出というのですから、屋敷は
乱脈でお話になりません。お千恵さんというのは十六の秋にこの屋敷へ縁付いて来て、あ....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
鎮圧に赴いた将士の部下が、却って一揆に参加して諸処に強奪を働いたと云う。 その
乱脈思う可きである。 亦当時は博奕が非常に盛んであった。 武士など自分の甲冑....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
は弟を疑ひ、弟は兄を隔て出けるに因て、父子兄弟の間も睦じからず、況や其余をや」の
乱脈振りとなった。こうなっては戦争も駄目だ。 六月二十六日、本普請にかかって居....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
て死んでしまった。 おりから東の関門をくぐり、新たに入団した一家族があったが、
乱脈している教団を見ると、愛想をつかして引っ返して行った。 驚くべきことが勃発....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
泣き出した。 犬はますます吠え狂った。子供は泣く、犬は吠える、狭い小屋のなかは
乱脈である。客人の手前、あまり気の毒になって来たので、無頓着の重兵衛もすこし顔を....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
そんな状態になるまでに落ちぶれたのである。 鶴見のかかり合ったという女はそんな
乱脈な家庭で育てられて来たのである。こんな話も聞いた。まだ娘のころ、若い男と轡を....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
流れた血が溜まって、廊下へ深紅の敷物でも、一枚厚く敷いたようであった。 「聚楽の
乱脈はこの有様だ。とうてい長い生命ではあるまい。……頼むは五右衛門ばかりだが……....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
もまいれ」と、十太夫はにこにこしていた。 「何をいうにも男ばかりの屋敷内で、いや
乱脈だ。女子共も定めて忙がしかろうが、お菊も精出して立働いてくるる。殊に殿様お気....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
ーの遺稿から上った原稿料など、みんなまき上げられました……』 夫人の言葉は少々
乱脈になって来た。のべつ幕なしに話している処へ五十近い、しかも、まだミスらしい婦....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ずッと出た時、はじめて我に返ったか、どさくさ紛れに影が消えたそうですが、どこまで
乱脈だか分りません。火の玉め、悠々落着いて井戸端へまわって出て、近所隣から我れさ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
たちの日常の生活を視るのに、通り一ぺんの表面の現実とか、あるいは現世の支離滅裂な
乱脈の方面ばかりを現実だとするような、そんな安っぽい見方をしないのです。 現実....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
たく、大洋はいいなと思った。 何が世の騒壇であろう。幽人高士のあまりに少い今の
乱脈さは、その気品の低く、香気の薄く、守ることの浅い不見識は、あの市井無頼の徒た....