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乱菊
「乱菊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乱菊の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
く品の凝った糸錦《いとにしき》です。 頭巾《ずきん》の色は古代紫。着物は黒地に
乱菊模様の小紋ちりめん。羽織も同じ黒の無地、紋は三蓋松《さんがいまつ》でした。 ....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
に遅日《ちじつ》多し、世をひたすらに寒がる人は、端近く絣《かすり》の前を合せる。
乱菊に襟《えり》晴れがましきを豊《ゆたか》なる顎《あご》に圧《お》しつけて、面と....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
がた》の素子の白粉気のない顔は、酔ってあか黒く脂が浮いて見え、藍地に白でぽってり
乱菊を刺繍した桃龍の半襟の濃艶な美しさは、素子の表情のにぶくなった顔を、ひときわ....
「この初冬」より 著者:宮本百合子
運転している娘さんたちの暮しは、どんな形でそこから更に変化してゆくのであろうか。
乱菊 近所の住っている友達のところへ行った帰り、つれ立って市場へ買ものにまわろ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
にこういう挿話が語られている。或る秋の日、その葛の葉が童子をあやしながら大好きな
乱菊の花の咲きみだれているのに見とれているうちに、ふいと本性に立ち返って、狐の顔....
「農村」より 著者:宮本百合子
と云った。番頭は早口に遠慮なく出させる私を、変な顔をして見た。褪紅色の地に大きな
乱菊を出したのと、鶯茶の様な色へ暖い色の細かい模様を入れたのを買うと、あっちの隅....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
読むということにも、いくらか似よったものがあるかもしれないと思ったりします。 「
乱菊」の中の言葉、そうね、小店員の方がふさわしいわね。フランスの本のことは、かき....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
んですよ。」 言うまもなしに、 「御覧なさい。」 背後から、塚へするすると、
乱菊の裾を、撓わに、紫の色に出て、 「まだ、整としていますのね。この白い鶏も、そ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の間には阿波守そのほか四人の影だけ……。 白い襖という襖一面、伊藤若冲の描いた
乱菊の墨色あざやかに、秋の夜は冷々と冴え更けている。 と……、床わきの書院窓の....