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乱読
「乱読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乱読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自分だけの世界」より 著者:辻潤
じたことも事実である。 とに角僕は時代精神の潮流に押し流されながら、色々の本を
乱読した――文学の書物も勿論好きではあったが、哲学めいた本の方に興味があった――....
「あの時分」より 著者:国木田独歩
いろんな事を止め度もなく考えて、思いにふけったものです。 そうすると、私もただ
乱読したというだけで、樋口や木村と同じように夢の世界の人であったかも知れません。....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
科に蘆花の『自然と人生』を読んでくださった時に始るといっていい。それと同時に私の
乱読時代が始った。次第に深く目覚めつつある性的に伴う憂愁の悩しい活動がそれと結合....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
見当らなかった。園芸の本だけは一かたまり、もとからのところに立ってはいるが。――
乱読して来た伸子には、保の若々しい精神がこの本棚のような有様でもちこされていると....
「書斎」より 著者:辻潤
だったのです。 私はこの三畳の部屋にひとり立て籠って妄想を逞しくしたり、雑書を
乱読したりすることをなによりの楽しみにしていました。 勿論、部屋の装飾といって....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
の優秀さに対する国民の後援である。 私は、最近、日米戦争に対する十数種の書物を
乱読してみたが、何を、一番感じたかと云えば、飛行機についてである。 飛行機のラ....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
主人、司祭は、実際のものといつもきっと、どこか違う。―― 指導してのないために
乱読せざるを得なかった十三歳のゴーリキイが、現実と文学との間に在るこの微妙な一点....
「今日の作家と読者」より 著者:宮本百合子
て、どうも分らないからまたほかのを読んで見るという心理にうながされた気ぜわしさ、
乱読も相当の割合を占めて来ているのである。そして、読者としての作家・評論家を大局....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
と二人がかりで、二枚も三枚も拵らえあげてしまって、それからの残りの時間を、雑読、
乱読、熟読の幾日かをものにしていた。 そこで、おかしいのは、母は、なんでそんな....
「文学的自叙伝」より 著者:林芙美子
寒い晩などは、焼けるようなカイロを抱いて、古本に読み耽りました。私の読書ときたら
乱読にちかく、ちつじょもないのですが、加能作次郎《かのうさくじろう》と云うひとの....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
ぶら出歩いていて、家にいる時には、経済や文芸や自然科学などの雑書を、全く無秩序に
乱読してるか、それよりもなお多く、ねころんでうつらうつらしている。睡眠にかけては....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
こに事新しく述べるまでもないことかも知れないであろうが、ただ自分が近頃彼の作品を
乱読しているうちに特に心付いた若干の点を後日の参考また備忘のために簡単に誌してお....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
日をよけながら近松|世話浄瑠璃や『しがらみ草紙』や『早稲田文学』や西鶴ものなどを
乱読しているところに案内も何もなく段梯子からニョキッと頭を出したのは居士であった....
「十六、七のころ」より 著者:永井荷風
物珍しく思われたのであった。病室にごろごろしている間は、貸本屋の持って来る小説を
乱読するより外に為すことはない。 博文館の『文芸|倶楽部《クラブ》』はその年の....
「回顧と展望」より 著者:高木貞治
で,結局四年大学におったが,その間にいろいろな本を読んだのであるが,指導者なしの
乱読で,本当に読んだと謂うよりは,図書室にあるだけの本を見境いもなく片っ端からひ....