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乱離
「乱離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乱離の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
生せず。熊沢伯継の『集義書』に、神林伐られ水|涸《か》れて神威|竭《つ》く、人心
乱離して騒動絶えず、数百年して乱世中人が木を伐るひまなきゆえ、また林木成長して神....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
第六の男は語る。 「わたくしの役割は五代という事になっています。昔から五代
乱離といいまして、なにしろ僅か五十四年のあいだに、梁、唐、晋、漢、周と、国朝が五....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
に参伺し、乱世の民の苦しみに就て、互に物語ったとある。其の時其の大臣が、色々昔の
乱離の世の例を引き出して「さまざま賢く申されけるに、宗全は臆したる色もなく」一応....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
うるにありといえども、たまたまもって虐主暴人のために恰好の口実となり、専横の弊は
乱離の弊に代わりて起こりますます社会の悪を長ずるに至れり、これよりその後政論はい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るべき道理でもあるが、ことにその眼の下に現われたのは、回向院の墓地でありました。
乱離たる石塔と、卒塔婆《そとば》と、香と、花との寂滅世界《じゃくめつせかい》が、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けて来るところが壮観です。来って物に当ると怒って吼《ほ》えます、そうして、たとい
乱離骨灰に崩れても、崩れるその事が壮観たることを失いませぬ。忿怒上部《ふんどじょ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
仏の多くの石塔の間に、動いて来るものを認めました。 小さな獣《けもの》が一つ、
乱離とした卒塔婆と、石塔との間に、うずくまっているのを認めたものですから、茂太郎....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
よう。 最初からしてあまり太平とは評し難かった足利の天下は、応仁の一乱を終って
乱離いよいよはなはだしくなった。そこで当時の人々ですら、この兵乱をもって歴史上の....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
風を呼び雨を喚ぶ幻神の如し 祠辺の老樹|精萃を蔵す 帳裡の名香美人を現ず 古より
乱離皆数あり 当年の妖祟豈因無からん 半世売弄す懐中の宝 霊童に輸与す良玉珠 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
打ちせずに潘璋は逃げ奔った。追いまくって密林の小道へ迫りかけた時、四方の巨木から
乱離として鈎のついた投縄や分銅が降った。関羽の駒はまた何物かに脚をからまれていな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
そのすきまに、宮はすばやく、大般若の経ビツの中へ躍りこんだものである。みずから
乱離な経巻の解れをかぶって、深く沈み、息をこらしておいでになった。 「もし、ふた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の、しかも総大将が討たれた。――とわかったので、朝霧の引くように、全軍の関東勢が
乱離となって逃げ薄れたのはぜひもない。しかし副将足利高氏の上流軍は、まだ健在のは....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
こびか」 「されば、御使なくとも、夙にわれから上洛すべきでしたが、戦後なお鎌倉は
乱離の状です。なにとぞ、ここ数日のご猶予をばお願い申しあげまする」 勅使の中院....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
人との寄りあい、げに、その弊は否みがたい。が、遠い祖たちが叡智で築いた国の要だ。
乱離にしてよいものではない。正成はこの国の民、父祖いらい北条氏の被官であったには....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ら押してくる味方ともぶつかりあった。で勢い、四分五裂、上へ下へ、蜘蛛の子のような
乱離をみせだしていた。 「散るな。散らばるな」 正季は、少数の力の極限を始終考....