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「乳児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乳児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命論者」より 著者:国木田独歩
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ふもれすく」より 著者:辻潤
君に二歳の弟にして、野枝さんはかって大杉君と一緒に駈け落ちして、困りぬいた揚句、乳児の流二君を上総の海岸にオイテキボリをくわしたのであった。 幸運なる流二君は....
海異記」より 著者:泉鏡花
我が勇しき船頭は、波打際の崖をたよりに、お浪という、その美しき恋女房と、愛らしき乳児を残して、日ごとに、件の門の前なる細路へ、衝とその後姿、相対える猛獣の間に突....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
て泣顔ではいかんから、だが大概にしてこゝへ連れて抱いて来い」 娘お徳は次の間に乳児を抱いて居りましたが、孝助の帰るを聞き、飛立つばかり、嬉し涙を拭いながら出て....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
なくてよ、逢いに来たんでい」 というに仕方が無いから、番頭は奥に往きますると、乳児に乳を含ませて、片手で其処此処片付けて居りました。 福「申しお内儀さんえ」 ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
居心の可かったっちゃあない。坊もまた大変に喜んだのさ。 それがというと、坊やも乳児の時から父親にゃあちっとも馴染まないで、少しものごころが着いて来ると、顔を見....
姨捨」より 著者:堀辰雄
を左右に寝かしつけていた。知らぬ間に荒れた板葺《いたぶき》のひまから月が洩れて、乳児《ちご》の顔にあたり、それを無気味に青ざめさせていた。少女はふいと前の月夜の....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
乳をやったことがあるが、そのたびごとに、動物的な嫉妬《しっと》深い煩雑な情愛を、乳児にたいしていだくのであった――その乳母のほうが、ほんとうの母親のようだった。....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
さいまし」 比丘「はい、何方でござます」 丹「手前は旅の者でございますが、夫婦で乳児を抱え、此の雪に逢い泊る処がなく困りました処、此方へ来てお願い申せば泊めて下....
虹の橋」より 著者:久生十蘭
ことができなかったふうである。 女囚が抱いて入ってきた携乳《けいにゅう》(携帯乳児)や所内で生まれた産乳は、鳥が古巣へ帰るように、その何割までかが、罪を犯して....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
敬しようか。夜風は寒いな――篁さらばじゃ」 「ま、待てっ! 待たぬか」 「黄口の乳児、談《かた》るに足らぬよ」 「その乳児の一刀、受け得るものなら受けてみよ!」....
西航日録」より 著者:井上円了
る学校、病院、工場、博物館、図書館、止宿所、孤児院等を巡見せり。その中に、貧民の乳児を一日限り委託を受くる組織あり。すなわち、乳児ありて出でて労役をとることあた....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
に百分の五以上であり、その煤煙の量はまさに世界一であります。 大阪市が世界一の乳児死亡率を持ち、世界一の肺病都市であり、世界一の不健康な都市であるとするならば....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
とき、いずれが最も安易かつ根本的であるか。大人の人間は立つことを普通に考えるが、乳児時代の這い廻る人間の子の速さを観察するとき、あれがあのまま二十年三十年這い廻....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
抗の気力も失せはて、気息また奄々たるもの、重なり重なり乗り越え、飛び越ゆるもの、乳児を抱き、哺乳するもの、 匍い寄り啼き寄る幼獣、 また、強者に虐殺された死....