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乳呑み児
「乳呑み児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乳呑み児の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
」 とステキに明るい声が奥の方からして、デブデブに肥った四十恰好のお神さんが、
乳呑み児を横すじかいに引っ抱えながら出て来た。その脂切った笑い顔を見ると、私はホ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、彼女は看板をかりていた家の、若い女主と一緒であった。女主は誕生を迎えて間もない
乳呑み児を抱いていた。 ちょうど郁子の姉が監視に来ていたところで、廻り縁を渡っ....
「足迹」より 著者:徳田秋声
きちんと坐って、しゃがれたような声で言って、妻に酒を注いだ。 母親は泣き立てる
乳呑み児を抱えて、お庄の明朝の髪を結ったり、下の井戸端で襁褓を洗ったりした。雨の....
「黴」より 著者:徳田秋声
ある在方へくれる話を取り決めて、先方の親爺がほくほく引き取りに来た時、※弱そうな
乳呑み児を手放しかねて涙脆い父親が泣いたということを、母親からかつて聞かされて、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
た。 十一日の午頃である。 門司ヶ関から小倉へはいる城下口の一膳飯屋の前を、
乳呑み児をあやしながら、行きつ戻りつしている女がある。 つい先頃、大坂の河端で....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
加減……」 こういったのがお綱らしい。 「ええ、人参湯でございますからね」と、
乳呑み児を抱えた、近所の若いお内儀さんらしいのが話しかける。 「お子さんがあると....
「三国志」より 著者:吉川英治
せると、母は、びっくりしたように起ってよろめきながら、 「おお、阿備か、阿備か」
乳呑み児でも抱きしめるようにして、何を問うよりも先に、うれし涙を眼にいっぱいため....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
こには薄明りがあった。行燈に、女の羽織が被せてある。まだうら若い母親は、白い肌に
乳呑み児を抱きしめ、蒲団の上に、おののいていた。 「…………」 かの女の白い顔....