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乳房
「乳房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乳房の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
かたを知る筈《はず》はなかった。叔母はとうとう隣の子に――穴蔵大工の女の子に固い
乳房を吸って貰った。
乳房は盛り上った半球の上へ青い静脈をかがっていた。はにかみ易....
「母」より 著者:芥川竜之介
満ち渡った。女は敏子の心もちに、同情が出来ない訳ではない。しかし、――しかしその
乳房《ちぶさ》の下から、――張り切った母の
乳房の下から、汪然《おうぜん》と湧いて....
「影」より 著者:芥川竜之介
ほど相手の喉《のど》に、両手の指を埋《うず》めていた。そうしてその露《あら》わな
乳房《ちぶさ》の上に、生死もわからない頭を凭《もた》せていた。
何分かの沈黙が....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た胸! 赤い篝火《かがりび》の光の中に、艶々《つやつや》と浮《うか》び出た二つの
乳房《ちぶさ》は、ほとんどオルガンティノの眼には、情欲そのものとしか思われなかっ....
「彼」より 著者:芥川竜之介
行った留守《るす》だったと見え、造作《ぞうさく》の悪い家の中には赤児《あかご》に
乳房《ちぶさ》を含ませた細君、――彼の妹のほかに人かげはなかった。彼の妹は妹と云....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
眼の前に見えるような気がした。それは始終|涎《よだれ》に濡れた、ちょうど子持ちの
乳房《ちぶさ》のように、鳶色《とびいろ》の斑《ぶち》がある鼻づらだった。
「へえ....
「女体」より 著者:芥川竜之介
し》みも、乃至《ないし》また性欲も忘れて、この象牙《ぞうげ》の山のような、巨大な
乳房《ちぶさ》を見守った。そうして、驚嘆の余り、寝床の汗臭い匂《におい》も忘れた....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
い。いや日本人の女でもない。むかし飼槽《かいおけ》の中の基督《キリスト》に美しい
乳房《ちぶさ》を含ませた「すぐれて御愛憐《ごあいれん》、すぐれて御柔軟《ごにゅう....
「夢」より 著者:芥川竜之介
《あおむ》け、やはり何の表情もなしにだんだん目をつぶって行った。同時にまた彼女の
乳房《ちぶさ》はまるまると綺麗《きれい》にふくらんで行った。それはかすかに静脈を....
「或る女」より 著者:有島武郎
稟《う》けた笑窪《えくぼ》のできる笑顔《えがお》が否応なしに吸い付いて来た。……
乳房はくすむったかった。葉子は思わず片頬に微笑を浮かべてあたりをぬすむように見回....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
腰を据《す》えた。妻は大きな溜息をして背の荷と一緒に赤坊を卸して胸に抱き取った。
乳房をあてがって見たが乳は枯れていた。赤坊は堅くなりかかった歯齦《はぐき》でいや....
「星座」より 著者:有島武郎
もう帰りますわ」
おたけはきゅうにつつましくなった。肉感的に帯の上にもれ上った
乳房をせめるようにして手をついていた。西山のけんまくに少し怖れを催《もよお》した....
「女客」より 著者:泉鏡花
色はくすんだが艶のある、藍と紺、縦縞の南部の袷、黒繻子の襟のなり、ふっくりとした
乳房の線、幅細く寛いで、昼夜帯の暗いのに、緩く纏うた、縮緬の扱帯に蒼味のかかった....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
十三 「あれえ! ああ、あ、ああ……」 恐かった、胸が躍って、圧えた
乳房重いよう、忌わしい夢から覚めた。――浦子は、独り蚊帳の裡。身の戦くのがまだ留....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
くちゃになった寝牀を想い浮べずにはいられない。あのジャケツの胸を見ては、あの下に
乳房がどんな輪廓をしているということに思い及ばずにはいられない。そんな工合に、目....