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乳牛
「乳牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乳牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪後」より 著者:梶井基次郎
や麦畠や街道や菜園や、地形の変化に富んだその郊外は静かで清《すが》すがしかった。
乳牛のいる牧場は信子の好きなものだった。どっしりした百姓家を彼は愛した。 「あれ....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
あとから思うと闇の夜に顔も見得ず別れてしまったような気がしてならない。 一つの
乳牛に消化不良なのがあって、今井《いまい》獣医の来たのは井戸ばたに夕日の影の薄い....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
なった。家族には近い知人の二階屋に避難すべきを命じ置き、自分は若い者三人を叱して
乳牛の避難にかかった。かねてここと見定めて置いた高架鉄道の線路に添うた高地に向っ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
下見をする。むろん巡査がひとりついてくる。牛疫の牛というのは黒毛の牝牛赤|白斑の
乳牛である。見ると少しく沈欝したようすはしているが、これが恐るべき牛疫とは素人目....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
色だ。この家の土間は葡萄棚などに続いて、その横に牛小屋が作ってある。三頭ばかりの
乳牛が飼われている。 Sの兄は大きなバケツを提げて、牛小屋の方から出て来た。戸....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
、大いに助かる。 家畜の宰領をしているラファエレに、現在の頭数を聞いて見たら、
乳牛三頭、犢《こうし》が牝《めす》牡《おす》各一頭ずつ、馬八頭、(ここ迄は聞かな....
「火星探険」より 著者:海野十三
の珠を見つめていると、こんな光景が見えたような気がしたんだ。僕たち四人がね。あの
乳牛の箱自動車の上で、面白そうに狸《たぬき》踊りをおどっているのさ」 「へえ、狸....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
分猟師に追われたものだろう、一頭の子鹿がこの牧場へ逃げこんだのを、そのまま一頭の
乳牛にあてがって置くと、それがわが子と同様に乳を与え、鹿の子もまた、牛を母として....
「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
の一二時間を、静かに過ごそうというのでした。そんなわけで、彼等は家の庭のことや、
乳牛のことや、蜜蜂のことや、葡萄の木のことなどを語りあいました。葡萄の木はお家の....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
は始めは月給を貰っていたが、後には利益配当の方法によった。小麦が安くなったので、
乳牛を飼い始め、一八八五年に十二頭だったのが一九一九年レーリーの死んだ年には八〇....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
に大いに役立つであろうと思われた。すなわち当時の力行会長永田氏にこのことを話し、
乳牛持参の牧畜教師を雇ってくれますかというと、永田氏も大いに歓迎するということで....
「時 処 人」より 著者:岸田国士
まわりに枯草が生い茂り、あぶなつかしいブランコが、子供の乗るのにまかせてあつた。
乳牛が、たまに草を食つている。 原つぱの隅に、破れた生垣を距ててボロ家が一軒、....
「博物誌」より 著者:岸田国士
獣医はどうも産褥熱らしいと言う。よく命にかかわることもある病気で、それも特にいい
乳牛に多い。で、もう駄目だと思われていた牝牛を自分が助けてやった思い出話を一つ一....
「デモクラシーの要素」より 著者:新渡戸稲造
んど》の体《てい》であるという。この有様を家畜となった牛に比すればどうであろう。
乳牛の如き各自の小舎に餌《か》われあるいは牧場で草を喰《た》べる時の有様は、怪し....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
云えぬようである。孝徳朝に善那が牛乳を献じたので姓を和薬使《やまとくすし》と賜い
乳牛院を建てたことは著聞している。天武朝になり牛馬等の家畜を食うことを禁じたのは....