乳離れ[語句情報] » 乳離れ

「乳離れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

乳離れの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
遣にも足りぬくらいの金を、少《すこし》ばかりの家財を売払って持って来た姉は、まだ乳離れのせぬ小《ちいさ》い方の男の子を膝《ひざ》にのせて、時々縁側の日南《ひなた....
十二支考」より 著者:南方熊楠
早《はや》自分で餌を求める、それまで母と一緒に居る、その間母虎の性殊に兇暴で子が乳離れする頃より鹿|犢《こうし》豕等を搏《う》って見せその法を教ゆ、この際牝虎の....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
。 見ると、小さな餌を、虫らしい餌を、親は嘴に銜えているのである。笊の中には、乳離れをせぬ嬰児だ。火のつくように泣立てるのは道理である。ところで笊の目を潜らし....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
敷のようには云われませんじゃろう。御承知かもしれませんが、あの四人の方々は、まだ乳離れもせぬ揺籃の頃、それぞれ本国にいる算哲様の友人の方々から送られてまいったそ....
」より 著者:島崎藤村
ばには、三十年ぶりで郷里を見に行くという年老いた嫂もいた。姪が連れていたのはまだ乳離れもしないほどの男の子であったが、すぐに末子に慣れて、汽車の中で抱かれたりそ....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
まだ警察から禁められておりましたフクを平気で自宅の副食物にしておりました。まあだ乳離れしたバッカリの私の口へ、雄精なぞを箸で挟んで入れてくれますので母親がビック....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
うち一対の白兎を買取り、彼の子供等の玩具《おもちゃ》にした。 この一対の白兎は乳離れがしてから余り長くはないらしく、畜生ではあるが彼等の天真爛※《てんしんらん....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
うことをモットーに加えて重要視しているのは、そういう意味からである。 例えば、乳離れの子供に胃腸を損じない栄養分の豊富なお菓子を作るといった試みとか、現代のよ....
盗難」より 著者:佐藤垢石
つまり、私の家内ははじめて子持ちになることであり育児には経験がないのであるから、乳離れするまでは京都へ預けておく方がよろしいというのである。老父も妹も、私のとこ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
ない。軽い菓子がいいと信じてビスケットなぞを小児に与えては甘い菓子よりなお悪い。乳離れの赤児《あかご》にちょうどいい菓子は僕が今拵えて進《あ》げるよ。お徳や、例....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
へ探しに行くと奇態にまたその通りの子が生れて居るそうです。 けれどもその母親の乳離れのするまでその家に置いて、それから寺に連れて帰って特別の教育を加えて自ら信....
」より 著者:岡本かの子
ったおもちゃを並べるのに余念ない風をしている。 室子の父の妾の子である蓑吉は、乳離れするころ、郊外の妾の家から通油町の本宅へ引取られた。蓑吉は、実母である妾の....