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乾く
「乾く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
乾くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なりゃあがったな、田舎漢め!」 四十 主税はようよう、それも唾が
乾くか、かすれた声で、 「三世相を見ておりましたのは、何も、そんな、そんな訳じゃ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ら、「それから、あの方は十一時頃までお寝みになりましたが、お目醒めになると咽喉が
乾くと仰言ったので、そのときあの果物皿を、易介が広間から持ってまいったのです」と....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
人の部屋とも思われる、綺麗な小座敷へ寝かされて、目の覚める時、物の欲しい時、咽の
乾く時、涙の出る時、何時もその娘が顔を見せない事はなかったです。 自分でも、も....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
もいいから、ぬいでもいいものを集めろ。そしてつぎあわせるんだ。そうすれば、咽喉の
乾くのがとまる」 船長は命令をくだした。 部下は、それをきくと、元気になった....
「○○獣」より 著者:海野十三
だと敬二は舌をまいて感心した。 しかしそのとき不図不審に思ったのは、セメントは
乾くまでになかなか時間が懸るということだ。ぐずぐずしていれば、○○獣はまた穴のな....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
に、炭の粉もないんです。政治狂が便所わきの雨樋の朽ちた奴を……一雨ぐらいじゃ直ぐ
乾く……握り壊して来る間に、お雪さんは、茸に敷いた山草を、あの小石の前へ挿しまし....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
に渡して掛けた。正面前の処へ、破筵を三枚ばかり、じとじとしたのを敷込んだが、日に
乾くか、怪い陽炎となって、むらむらと立つ、それが舞台。 取巻いた小児の上を、鮒....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、どうも。」 と伸上ったり、縮んだり。 「何しろ、脱がなくッちゃお前さん、直き
乾くだけは乾きますからね……あちらへ来て。さあ――旦那、奥様のお膚を見ますよ、済....
「死者の書」より 著者:折口信夫
ように、語を吐いた。 板屋の前には、俄かに、蓮の茎が乾し並べられた。そうして其が
乾くと、谷の澱みに持ち下りて浸す。浸しては晒し、晒しては水に漬でた幾日の後、筵の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
チョッ、チョ。 「さあ、お掛け。」 と少年を、自分の床几の傍に居らせて、先生は
乾くと言った、その唇を撫でながら、 「茶を一つ下さらんか。」 暗い中から白い服....
「露肆」より 著者:泉鏡花
と掛けつつ、ものうげに払いもせず……切の長い、睫の濃いのを伏目になって、上気して
乾くらしい唇に、吹矢の筒を、ちょいと含んで、片手で持添えた雪のような肱を搦む、唐....
「初雪」より 著者:秋田滋
なた。ここの家はどうしても煖房を据え付けなくッちゃいけませんわね。そうすれば壁も
乾くでしょうし、ほんとうに、あたし、朝から晩まで、一時だって体があったまったこと....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
灰になるのを見つめているうちに、顔は火鉢の活気に熱ってか、ポッと赤味を潮して涙も
乾く。 「いよいよむずかしいんだとしたら、私……」とまた同じ言を呟いた。帯の間か....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
れでいてあがるものはというと、牛乳を少しと、鶏卵ばかり。熱が酷うござんすから舌が
乾くッて、とおし、水で濡しているんですよ。もうほんとうにあわれなくらいおやせなす....
「花と人の話」より 著者:小川未明
です。 子供は、毎朝起きると、すぐに花のところへやってきました。 そして土が
乾くと、水をくれました。学校から帰ってくると、花を日のあたるところへ出して、また....