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「亀の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

亀の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
いらっしゃるのはその河野さんの母様じゃないか、気をお着けな。」 帽子をすっぽり亀の子|竦みで、 「ホイ阿陀仏、へい、あすこにゃ隠居ばかりだと思ったら……」 「....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
あ、いたた!」 「うそうそ、そんなことで痛いものですか?」と、ふき出した。卦算の亀の子をおもちゃにしていた。 「全体どうしてお前はこんなところにぐずついてるんだ....
」より 著者:海野十三
ていった。三十秒後には懐中時計ほどの大きさになった。それから更に三十秒のちには、亀の子束子ほどに膨れた。私はすこし気味が悪くなった。 それでも蠅の生長は停まら....
蠅男」より 著者:海野十三
が天井を見上げると、周囲の警官たちも、こわごわ同じように天井を見上げながら、頸を亀の子のように縮めた。 「鼠とちがうか。蛇が天井に巣をしとるのやないか。オイお松....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
長も、助役と同じ様に喬介の言葉には驚いたらしく、ひどく心配そうに蒼白い顔をして、亀の子の様に大きなオーバーの中へ首や手足をすくめる様にしていたが、間もなく本屋の....
自叙伝」より 著者:大杉栄
ンス語をさんざんにけなした。大久保と僕とは、何が書いてあるんだかちっとも分らない亀の子文字の彼の本をいじくり廻しながら、大いに彼をうらやんだ。 が、学校にはい....
海底都市」より 著者:海野十三
こうなると、鉢の中に入れられた金魚《きんぎょ》か亀《かめ》の子同然だ。金魚や亀の子なら、水中ですまして生きていられる。しかし僕は人間だ。空気を吸わねば生きて....
四次元漂流」より 著者:海野十三
ったようである。その証拠に彼は大きな懐中時計を掌にのせて指針の動きに見とれ、首を亀の子のようにちぢめていたが、そのとき隣にいた山形巡査が古島の袖をひいて注意をし....
火葬国風景」より 著者:海野十三
いては、どうしようもない。彼は望みがないと知りつつも、手足や首をゼンマイ仕掛けの亀の子のようにバタバタ動かした。ドカンドカンと板の上を叩いた。叩いているうちに不....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
はござりませぬか。」 「おおおお、」 と、法師は目を※って固唾を呑む。 「吃驚亀の子、空へ何と、爺どのは手を泳がせて、自分の曳いた荷車に、がらがら背後から押出....
南地心中」より 著者:泉鏡花
から、」 「串戯じゃありません。」 「私は例のかと思った、……」 「ありゃ天満の亀の子煎餅、……成程亀屋の隠居でしょう。誰が、貴方、あんな婆さんが禁厭の蛇なんぞ....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
復活して来たのですな。今は到底売れないが昔|亀戸の「ツルシ」といって、今|張子の亀の子や兵隊さんがありますが、あの種類で、裸体の男が前を出して、その先きへ石を附....
」より 著者:犬田卯
つれて竹竿もこりこりと錐をもむように肩の皮膚をこするのだ。勝は顔中をしかめながら亀の子のように首をすくめて、腰で歩いた。 「愚図々々しているから、そんなのに当る....
註文帳」より 著者:泉鏡花
と思いやあがって、」と中ッ腹でずいと立つと、不意に膝かけの口が足へからんだので、亀の子這。 じただらを踏むばかりに蹴はづして、一段膝をついて躙り上ると、件の障....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
煎餅も売っていますね。」 「ああ、あの大きい句碑の前にね――それでもまだ張り子の亀の子は売っている。」 僕等は「天神様」の外へ出た後「船橋屋」の葛餅を食う相談....