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了う
「了う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
了うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
間を合して少くも五時間若くは其以上を要すると云った。ツマリ往復に半日を無駄にして
了うわけである。逗子は少し遠方過ぎるから別としても、大塚巣鴨辺から通う人は少くも....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
になって総ての犬が尽く合の子のカメ犬となって了ったように、純粋日本人の血が亡びて
了うと悲観した豪い学者さえあった。国会とか内地雑居とかいうものが極楽のように喜ば....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
様に一枚下の厚い奴の事だよ。そう言う皮膚は、あんなに易々と傷口の周囲までまくれて
了うものかね? 僕はそう思えないんだ。只、もう息の通っていない、そろそろ虫の湧き....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
しろ、浅葱にしろ、矢張着人によって、どんよりとして、其の本来の色を何処かに消して
了う。 要するに、其の色を見せることは、其の人の腕によることで、恰も画家が色を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で。 外のものとは違う。切物は危い、よく探さっしゃい、針を使ってさえ始める時と
了う時には、ちゃんと数を合わせるものだ。それでもよく紛失するが、畳の目にこぼれた....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
、やがて十坪ばかりの窪地がある。汐が上げて来た時ばかり、水を湛えて、真水には干て
了う。池の周囲はおどろおどろと蘆の葉が大童で、真中所、河童の皿にぴちゃぴちゃと水....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い出しのお上手なのにはほんとうに困って了います……。ではホンの話の筋道だけつけて
了うことに致しましょう。現世の人間としては矢張り現世の話に興味を有たるるか存じま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
前には、現在|汝等を悩ます痴愚も、不信も、罪悪も、虚偽も皆跡方もなく一掃せられて
了うであろう。 問『近代の天啓と古代の天啓とは同一か?』 天啓は皆同根博したか....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
、其の一角で少々立ち騒いで見たところで、殆んど何んの跡かたも残さずに過ぎ去られて
了うに違いない。 しかし僕は、飽くまでも此の問題は、いつものような文壇の流行品....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
と晴次の手を取って否がる奴を無理に谷底見蒐けて飛び込んだ。 「もう駄目だ。死んで
了うんだ。」 と思って晴次は眼を閉じたが、どうも千仭の谷底へ落ちているとは思われ....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
急いでゆッくり、お参りをして戻りましょう」と宗匠呑込んだとなると、無闇に呑込んで
了うのであった。 市助と連立って畑の中を大師の方へと行って了った。今ではこの辺....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
まで来ると、早くも領分諸村の庄屋、村役などが、大勢出迎えて、まるで殿様扱いにして
了うのであった。 「出迎えの人数は?」と純之進は本陣に寛居ながら問うた。 「ええ....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
しめた例もある。また同じようなやり方で窓越しに戸外の積雪の中に銃器を飛びこませて
了う。 (五)、錯覚と変装の助けにより遂行される殺人。まだ――無事でいると思われ....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
を描いていた地面が、忽ち野や山や人家が箱庭のように、小さく瞭り見える迄に収縮して
了う。もう五百|米の高空なのだ。 J部落、T河、O山、B湾――必要上自分達だけ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、万一入り来ることもやあらむと、内外に心を配りいる。 勝手を働く女房が、用事|
了うて襷を外し、前垂にて手を拭き拭き、得衛の前へとんと坐り、「お前|様どうなさる....