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了る
「了る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
了るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
がどんなに自然であり、正当であるかを了解するだろうと思います。 私はこの書状を
了るに当って、はしなくも坂下鶴吉の逮捕を見ずして、娘を殺された悲しみに倒れた私の....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
ぬよ、事に由れば余温の冷るまで当分|博賭も止るかも知れぬ何うして其様な未熟な事で
了る者か、差当り其家へは行かずに外の所で探偵するのが探偵のいろはだよ、外の所で愈....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
論平常から字引をよく調べる男でしたが、文字の成立まで調べて置いて、そして敵が講じ
了るのを待ち兼ねて、難問の箭を放ちました。何様も十分調べて置いてシツッコク文字論....
「運命」より 著者:幸田露伴
い、張玉を亡うを以て、意|稍休まんことを欲す。道衍曰く、両日は昌|也、東昌の事|
了る、此より全勝ならんのみと。益々士を募り勢を鼓す。建文三年二月、燕王自ら文を撰....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
く。) 学円 (沈着に時計を透かして)二時三分。 晃 むむ、夜ごとに見れば星でも
了る……ちょうど丑満……そうだろう。(と昂然として鐘を凝視し)山沢、僕はこの鐘を....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
の身体から、汚ないものを吸い取ってしまうような気がした。 翌日は、二時の復習が
了ると、子供達は父と散歩かたがたアメリカン・ベイカリへ行く嬉しさで、無遠慮になっ....
「妖怪談」より 著者:井上円了
われ、執術者の目に手に心に通ずるのです。この心通の作用によりまして、対手の心を読
了ることができるのでございます。ゆえに、もちろんこの方法によるときは、過去経験し....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
了ったのです」と息も吐かずに饒舌るのを、私も固唾を呑んで聞澄していたが、其の噺の
了るを待兼ねて、「併しそれが可怪いじゃアないか、其の奥様は大層継子を可愛がったと....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
手帳を把出して、一々これを写し始めた。石の面には所々缺けた所があるので、全く写し
了るまでには尠からぬ困難と時間とを要した。巡査も根好く待っていた。 「これは確に....
「能面と松園さんの絵」より 著者:金剛巌
美文の所にくると「先生もう一度謡ってください」と黙ってそれを傾聴するのです。謡い
了ると又同じ所を「もう一度お願いします」と言って何度も謡わせまして傾聴して考えて....
「カンナとオンナ」より 著者:北大路魯山人
っぱり、料理は、金をかけないとダメですね」 わたしはだまって、かつおぶしをかき
了ると、一杯ビールを飲みほして、しゃべり出していた。 「およそ反対だね、君のいう....
「女強盗」より 著者:菊池寛
いうところに立っていて人などが出て来て妨げなどする場合はよく防いで下さい。仕事が
了ると、舟岡山の方へ引き上げて、そこで何か命令が出るでしょう。しかし、物を配分す....
「ヒルベルト訪問記」より 著者:高木貞治
スを鳴かせて見せるのだというようなことを書きました.それは勿論数学基礎論を解決し
了る意気込を言った積りなのですが,比喩が不適切である為に,僕の意志にない所の,嘲....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
フェミヤは直ぐに立って来て、私から鉛筆を受取ると、一字一字力を籠めて書き記した。
了るとまたスッと坐って、両肱を前にぱたりと投げ出した。そうして両手の指を深い前髪....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
り、章乃器、郁達夫、田漢その他の告別の辞があった。私も葬儀委員として話した。式が
了ると共に棺の上に黒いビロードに白い民族魂という大きな文字の幕がかけられて、棺は....