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予て
「予て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
予ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
入れて置いて、帰ってきても冷い足をすぐ温められるようにし、次に洋服箪笥を開いて、
予て一着分用意してあった古洋服を下して着換えた。そしてこれだけは上等交りけなしと....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ので、ある橋の畔まで来たとき、それをすっかり脱いで、小脇に抱えて来た紙包を解いて
予て用意の詰襟の学生服に着かえ、寝衣の方は紙包みにし、傍に落ちていた手頃の石を錘....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ぬ爽快な気分で暮らすことが出来た。 しかしここに困ったことが出来た。それは金が
予て魔薬入りのゴールデン・バットをバラ撒いていた女たちに与えるものがなくなったこ....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
のだ」ということだろう。 これについては、正直に次のように答えたい。「そいつは
予ての順序だったのだ……」
予ての順序だったのだ。つまりラジウムを挿入されて、....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
しまった!) と思ったが、もう遅い。 「政! 妙なところで逢うなア」 二人は
予て顔馴染の警視庁|強力犯係の刑事で、折井氏と山城氏とだった。いや、顔馴染という....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
二日も三日も歩行かなけれゃならないですな。 尤も上りは大抵どのくらいと、そりゃ
予て聞いてはいるんですが、日一杯だのもう直だの、そんなに輒く行かれる処とは思わな....
「雷」より 著者:海野十三
「まあ、四郎さんが……」 その昔の情人、北鳴四郎がこの町に帰ってきているとは、
予て町の人々からうるさいほど噂には聞いていたが、思いがけなく、この奥に四郎が居る....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ます……。が、それまでが私の嬉しさの絶頂でございました。私は何やら奇妙な感じ……
予て考えていたのとはまるきり異った、何やらしみじみとせぬ、何やら物足りない感じに....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
さくなりはじめ、やがてぱっと消えて了った。何だか訳が分らないものを見た。これこそ
予て聞き及んだ幽霊というものだろうと思うでしょう。 老教 ごたごたした云い方じゃ....
「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
尤も僕は、今日の編集者が、どれだけ正しく科学小説を育て得られるか、その点について
予て大きな疑問を持っている。僕の結論をはっきり先に述べると、今日の編集者は、科学....
「多神教」より 著者:泉鏡花
の鉄橋な、お前様。川むかいの駅へ行った県庁づとめの旦那どのが、終汽車に帰らぬわ。
予てうわさの、宿場の娼婦と寝たんべい。唯おくものかと、その奥様ちゅうがや、梅雨ぶ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
が過ぎるというと、「昨宵は猫のお産で到底寝られなかった、」といった。段々訊くと、
予てから猫の産月が近づいたので、書斎の戸棚に行李を準備し、小さい座蒲団を敷いて産....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
が、鴎外時代になってから目に見えない改革が実現された。陳列換えは前総長時代からの
予ての計画で、鴎外の発案ではなかったともいうし、刮目すべきほどの入換えでもなかっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
不満であったが、それ以外に何時かは俗吏の圏内を脱して自由の天地に※翔しようとする
予ての志望が幇助っていた。本と本と二葉亭は軍事であれ外交であれ、左に右く何であろ....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
も陸軍省から徴兵検査用の色盲検査表を作ることを命ぜられたのであります。そこで私は
予て考えていたことを実行してみようと思い、ある日曜日にスチルリング氏の表を参考と....