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「予断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

予断の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
恵伊豆だから、こいつ尋常一様の事件ではないな、ということがいち早くもかれの脳裏に予断されたからでした。まことに賛賞どころか、三嘆にあたいする推断というべきですが....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ス革命以後「義務」となったが、最終戦争時代は更に「義務」から「義勇」に進むものと予断している(一一八頁及び付表第二)。英米の傭兵を義勇兵と訳するのは適当でない。....
緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
悪戯をしてある」 秋壑は嘲笑いながら入って往ったが、その二句の文字に彼の未来が予断せられていた。彼は間もなく失脚して循州に謫せられたが、障州の木綿庵に着いて便....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
機械的に片づけられはしないだろう。生長の家が今後どういう「聖典」を伝承するか私の予断の限りではないが、その聖典振りとバイブルの聖典振りとの間には、確かに大きい距....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
て、数万里外の天の一方において引力を天王星の軌道に及ぼす一大惑星の存在することを予断してその位置を測定したが、英国においては、殆どこれと同時にアダムス(Adam....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
哲学概論は出来ているが哲学はまだ出来ていない。だからどういう形の観念論になるかは予断出来ないが、少くともその立場がどういう風に観念論的であるかは、例の「静止」の....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
。数学もこの点では変りはないので、客観的世界の諸関係を経験から又は経験を通じての予断によって抽象した範型の理論が数学だと云って好いだろう。数学の形象自身には何等....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ーというのは政治以外の領域に対して、一定の既成の政治的見解又は政治的要求に応じる予断を強制するもののことを意味しているらしい。彼等の直接の感覚の外から之に注文を....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
が出来るか、支那大陸における日本の事情がどう変化して行くか、これはもちろん今から予断出来ないことだ。しかし、こうした事情の推移によって、日本の社会そのものの具体....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
家と武家との間柄のような状態に立ちいたりましても、それからどうなりますか、容易に予断を許しません、勤王の方は、西南の雄藩が支持しておりまして、これが関ヶ原以来の....
水の女」より 著者:折口信夫
いる。「生立」とあるところから、生物と見られがちであった。ことに植物らしいという予断が、結論を曇らしてきたようである。宣長以上の組織力を示したただ一人の国学者鈴....
魔都」より 著者:久生十蘭
。例えていうならば、二匹の猛虎が闘場に遭遇したような、この成行は一体どうなるか、予断を許さぬ悽愴な光景になった。 総監は癇癪を起したような声で、 「真名古君、....
日本の近代的探偵小説」より 著者:平林初之輔
手組」の三編に過ぎない。これだけのわずかな材料で、探偵小説家としての、氏の前途を予断することは、軽率でもあろうし、特に私には、そんな洞察力は全くない。私にできる....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
連れ寄すること、よって思うまま欲するままに陶磁が窯出し得るものと、こともなげにも予断する軽々しいくせのある一事である。伊賀を作らんと欲して窯を築く人が伊賀|信楽....
思想動員論」より 著者:戸坂潤
成原理の反対だ)らしい響きを持っている点が面白いが、併し導くやり方には予め一定の予断があるのであって、要するに何か善い思想なるものへ導こうというのである。善人に....